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革命◇シンデレラ

交差する視線

↓↓ ルイ王子から逃げる様に去ったあと、ヴァレリーはリットン家の馬小屋の隅にと隠れるように座っていた。

このまま隠れていても仕方がないけれど、できるならこのままガルムに二度と会いたくない。
(ルイ王子が心配しているかも・・・・・・)

どんな理由があるにしろ、ルイ王子にとってしまった態度は謝ってすむような問題じゃない。
けれど、こんな状況になっている理由を話すつもりもなかった。
だからといって、こんな所にいつまでもいられるなんてなく、ヴァレリーの足は、そっと馬小屋を抜け出した。
たった一人、会いたくない人がいる。それだけで、前に進む道が恐怖でかためられている気がした。


「ガルム・リットン」
その頃、ルイ王子は、ガルムへと声をかけていた。
「あぁ、これは、これは・・・・・・」
ガルムはルイ王子に丁重に頭をさげた。
「内の者を見てはいないか?」
少し、考えるような素振りをみせたあと、ガルムは顎をゆっくりとなでた。
「さぁ、知りませんね」
ルイ王子はまっすぐにガルムを観察しているようにみえた。
「分かった、すまない」
言うなり、ガルムの横を通り過ぎる。
そのほんの一瞬、ガルムとルイ王子の視線が交差した。

「ヴァレリーちゃん」
全く、気配がなかってからの背後からの声に、ヴァレリーの心臓はとまった。
硬直したままの顔の前で、掌をひらひらとさせながら、ヴァレリーの名前を呼ぶのはミゲルだった。
「大丈夫?」
たった今、心臓をひとつきにした張本人が言うセリフではない。
ヴァレリーは、やっとと、息を吹き返した。

「ルイ王子が心配してるよ」
心配? ルイ王子が? あの人に限ってそんな事はないだろうと思うけれど、思い返してみれば、確かにいつだってそうだった気がする。
「ごめんなさい」
「見つかったから、良かったよ」
ヴァレリーはミゲルにもう一度謝った。
「うん、もういいから、ヴァレリーちゃんは馬車に乗っといで。すぐに出発するからさ」
ミゲルの言葉に、ヴァレリーは心底ほっとした表情をしていた。


ヴァレリーは、ミゲルの背中についていくように、馬車までの道のりを歩いた。
ルイ王子はまだ、馬車にはおらず、ミゲルはヴァレリーを馬車に乗せたあと、大丈夫だからねと言い残し、ゆっくりとそこを閉めた。
ミゲルの姿が見えなくなった頃、やっとヴァレリーは息をついた。

さっきまで息苦しかったのに、この馬車にのっただけで、ヴァレリーの気分は落ち着いた。
けれど、これですべてが終わってしまった訳じゃない、むしろ最悪のシナリオに出会ってしまった。
(もし、何もかもバレてしまったら・・・・・・)
その可能性がないわけじゃない、むしろその可能性の方が大きい。よりによって、あのガルム・リットンにあってしまった。
自分の本当の身分も、置かれている状況も・・・・・・。

城にはテレジアだっている。他の皆も・・・・・・。

なのに、どうしてあの男に出会ってしまったのか・・・・・・。思いだすヴァレリーは顔を覆った。
彼はアルバンタ王国の情勢を知っている。だからこそ、城へと現れた。

考えているヴァレリーの視界の向こう、ルイ王子の姿が見えた。
馬車の中で立ち上がって、カーテンに隠れながらも、その姿を確認する。
本当ならば、最後まで同席するのが常識。けれどミゲルは、確かにここで待っていろといった。

もし、ぜんぶ、ガルムが話してしまったら?
もし、自分の身分がバレてしまったら?

ヴァレリーは、そっと、カーテンの端を握り締めた。




「ヴァレリーちゃん?」

ミゲルとルイ王子が馬車へと戻ってくると、ヴァレリーは静かに寝息をたてていた。

呼吸が不自然かもしれない、長いまつげがピクピクと動くかもしれない。
それでも、ヴァレリーは眠り続けた。

城についたあと、起こされたヴァレリーは、ミゲルから今日はもう部屋へ帰ってもかまわないと聞かされる。
複雑な気持ちを残したまま、ヴァレリーはベットの上に体を寝かせた。

(考える事がありすぎて、頭が痛い・・・・・・)

自分がどの道に進んだらいいのかわからなくて、迷い始めている。
どの選択を選んだら正解なのかもわからない。

「ヴァレリーは部屋に戻ったか?」
書類に目を通しながらルイ王子は部屋に入ってきたミゲルに視線をやった。
「仰せの通りにね」
ルイ王子も、ミゲルも、ヴァレリーの様子がおかしいのは、とっくに気づいている。けれどそれをヴァレリー本人が隠そうとしているのに無理やり聞き出す事もできない。

ルイ王子は静かに目をとじると、しばらく考えるそぶりを見せた。
そしてしばらくすると、口をひらいた。

「お前は予定通り、明日、アルバンタ王国へと発つ準備を」


・・・・To Be Continued・・・・・・・・・


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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Mon,  09 2015 06:42
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