リアルタイム: 革命◇シンデレラ - スポンサー広告革命◇シンデレラ

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革命◇シンデレラ

テレジアの決意

↓↓



翌日、ミゲルの視界の中には、アルバンタ王国があった。

そこには確かに、街はあるし、人もいる。暖かさも感じられるけれどそれは、ミゲル、そしてルイ王子がいるメーリング王国とは、異なっていた。

他国にいるミゲルを、ルイ王子が、今回わざわざ帰した理由は、アルバンタ王国の偵察のため。
隣接国であるアルバンタ王国の衰退化が進んでいると言う話は、とうにルイ王子の耳に入っていた。

ミゲルの目の前にはアルバンタ城がある。
アポさえとっていない、ありのままの現状を偵察してくるということが今回の指令。

ミゲルは街中の商人の服に着替えていた。
大きな門の前で、門番に声をかける。薄っぺらい用紙にサインをもらうと、アルバンタ城へと足を踏み入れた。

使用人の前を通り過ぎながらミゲルは奥の広間へと入る。
すると、柔らかい声色に出迎えられ、頭をさげた。

「ようこそ、アルバンタ王国へ」

一礼して、顔をあげたミゲルは言葉を失った。
そこには、ヴァレリーと瓜二つの顔をした、テレジア・モレッツがいた。

「ヴァレ・・・・・・」
思わず出かかった言葉を、ミゲルは飲み込む。
いいや、まさかそんなはずはない。ヴァレリーはルイ王子と一緒に今もメーリング城にいるはず。
けれど、似ていると言う言葉では終わらすことができない程に似ている。
違う所といえば、ルイ王子と一緒にいるはずのヴァレリーとは違って、ゆるやかなウエーブが髪にかかっている。
「はじめまして、テレジアと申します」
ドレスの両走をつまむと、テレジアはミゲルにゆっくりと頭をさげた。
ふわりと笑った顔が、一瞬ミゲルの瞳を奪ってしまう。

戸惑いを隠しながらもミゲルはテレジアに深々と頭をさげた。
こんなにも似ている人間をミゲルは見たことがなかった。みればみるほど、テレジアはヴァレリーに似ている。



「テレジア様」

困惑しているミゲル、そしてテレジアの間に、執事の声がはいった。
彼は二人の会話を邪魔したことを、先に詫び頭をさげる、そしてもう一度口を開いた。

「クルード大臣が来ております」
彼の顔は切羽つまっていた。
テレジアは頷いたあと、ミゲルの方へと向き直った。
「申し訳ありませんが、明日、もう一度時間を頂けないでしょうか?」

まだ何もミゲルの中で解決していない、だからテレジアの申し出を断る理由もなかった。


明日の午後一時に、テレジアとそう約束したミゲル。
どこかで宿をと思ったけれど、彼はまだ、城の中へといた。

テレジアと執事の会話も気にはなったけれど、ミゲルのなかでどうしても気がかりな事があった。

ミゲルは城から帰った素振りをみせたあと、するりと護衛の兵の隙をぬけた。
決して褒められたことではないけれど、ミゲルからすれば、これは造作もないことだった。
城の奥、使用人の声を追いかけていくと、そこは厨房だった。

どうやら昼食の準備をしているようで、確かにおしゃべりは達者だけれど、その手は確実に動いている。

ミゲルはそこで、聴き覚えるある名前を耳にした。
「ヴァレリー様は、一体どこに行ってしまったのか・・・・・・」

「せっかくの二十の誕生日にいなくなるなんて・・・・・」
話の内容に動じている自分がそこにいながらも、気になっていた糸が、ひとつにつながっていくような気がする。
「連れ去られたんじゃないかって噂もあるけど、テレジア様が心配するなって言うもんだから・・・・・・」
「心配するなって言うほうが無理な話よ! あぁ、ヴァレリー様は何処に行ってしまったの」

頭の中でバラバラになっていたパズルが、ひとつひとつと埋まっていくような感じを覚える。

ヴァレリーと瓜二つだと思った女はこの国の王女だった。
先の資料で、この国に娘がいるということは知っていたけれど、もしそれが双子だとしたら・・・・・・。

一国の王女が城から居なくなった? それも突然に?
ミゲルは使用人達の言葉にもう一度聞き耳をたてた。
「ヴァレリー様が出て行ってしまってから、毎日テレジア様はさみしそうで見てられない」
「けど、ヴァレリー様が居なくなった翌日から、テレジア様の指輪がなくなっていたんだ」
「そう! その変わりにヴァレリー様の指輪がしっかりと指にあったんだよ」

(もしかして、テレジア王女は知っているのか?)

ミゲルの中で、色んな仮説をひとつ、ひとつと立てていく。

アルバンタ王国が衰退していく理由のひとつに挙げられているのが、資源物質の不足。
人々は働く場所がなくて、他の国へと仕方なくも流れていく。
メーリング王国も請負先になっているけれど、この国になにやら問題をかかえているのは確かだった。

「でも、このままではテレジア様は、あんな男の所に・・・・・・っ」

気持ちが高ぶったのか、使用人の一人がわっと両手で顔を覆った。
慰めるように抱きしめるもの、肩を落とすもの・・・・・・。

(この事を、ヴァレリーは知っているのか?)
知っているかもしれない、だからこそ、ヴァレリーは城を抜け出した?
でもその理由がまだわからない。

ミゲルは沈黙を守りながらも、その話に聞き耳をたてつづけた。


「テレジア様」
鏡の前に立っているテレジアの背中に執事のベッサーからの声がかかった。
その声のトーンはとても低い。

鏡の中のテレジアは、笑っているけれど、どこか悲しそうにみえる。
「ごめんなさい、準備に手間取ってしまったの」
ベッサーはテレジアの少し離れた後ろにいる。
「本当に、これでかまわないのですか?」
ベッサーの視界に、テレジアの横顔が映る。
「いいのよ、これで」
テレジアは、微笑んだ。

シャンデリアが輝く応接間には、トレバー・クックが席にとついていた。
年は、テレジアの二倍ほどあって、父と娘だといった方が、よほどしっくり来る年齢だった。
身につけているのは、高級品であり、彼の身分も、財産も申し分もないものだった。

彼は、前にもこのアルバンタ城へと足を運んでいる。
この国の情勢を知り、王女に会いに来たのは、ヴァレリーが城を抜け出したあの晩より少し後の事。
当然、ヴァレリーはこの事を知るよしもなかったし、知らせる予定もなかった。

テレジアは、父からの誕生日プレゼントにもらった万年筆をきゅっと、きゅっと握り締めた。

「ヴァレリー・・・・・・」


たった今、テレジアの中で大きな決断を迎えようとしていた。

・・・・To Be Continued・・・・・


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  •   09, 2015 09:00
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