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革命◇シンデレラ

狭き道の崩落

↓↓


「ありがとうございます、見ず知らずのお方なのに、申し訳ありませんでした」

見送りはいいと言ったミゲルの申し出をけって、テレジアは、城の門の外まで出ていた。
すべての事を知ったわけじゃないけれど、今ミゲルがしなければいけない事は決まっていた。

このまま身分を明かしてしまえば、テレジアが安心する事は間違いないけれど、ルイ王子に報告しなければならない。
すぐにメーリング城へと帰り、アルバンタ王国の内情、テレジアの事、そして側にいるヴァレリーの事、すべてを報告してすぐにまた戻ってくるつもりだった。

その手に、アルバンタ王国へ、傘下申し入れの許可書を持って。


「お気をつけてお帰りください」

テレジアは、この城の庭にある、琵琶の実を籠いっぱいに盛っていた。
「とても甘いんです、何もないけれど・・・・・・」
それは、助けてくれたミゲルに対する、テレジアからのささやかなお礼の気持ち。
ミゲルはそのひとつを籠のなかから取りあげると、口のなかへと入れた。
熟した果実の甘味が、舌の中でとろけた。ミゲルはこんなにも甘い琵琶を食べたことがなかった。
「美味いな」
想像以上に驚いているミゲルの反応をみたテレジアは、ふわりと笑う。
「この琵琶の木は、私と一緒に成長してきたんです」
アルバンタの国は、比較的温かく、作物が育ちやすかった。それが不足するようになったけれど、この琵琶の木だけは、よく実がなっていた。それはヴァレリーとテレジアの希望でもあった。
いつか、この琵琶の木のように、また作物が豊富になる。そんな風に。

「ありがとう」
ミゲルが馬車に乗り込むと、テレジアは、またゆっくりと頭を下げた。

「テレジア王女」
おそらく、テレジアは、何度だって同じ決断をするだろう。
それが、自分にできる唯一の選択だと信じて。


「・・・・・・風邪をひいてしまいます、早く城の中へ」

このまま、本当に城を後にしてしまっていいのか、ミゲルの答えは出ていなかった。
テレジアに選択がひとつしかなく、その時間さへも限られているなか、自分が選んだ選択肢は、果たして正解なのか?
万が一にも間違ってはいないだろうか?

思うけれど、ミゲルの中で答えはでていない。だからこそ、一番確実な方法を選ぶしかなかった。



「テレジア様」
城の外へと使いにいったものが引き返してきたと門番が話す。
どうやら、この先に何かあったようだと、門番達は騒いでいる。
しばらくテレジアと話をしていたが、それは思わぬ出来事だった。

「ここから一キロ先の一本道で、崩落が起きたそうです」

そこは、狭き道で有名であり、危ないからと前々から住民が耐久工事を志願している場所であった。
けれどもそんな財力はアルバンタ王国にはない。
だからテレジア達にはどうする事もできなかった。

幸いけが人は出ていない事にテレジアはほっと胸をなでおろしている。

アルバンタ王国とメーリング王国を結ぶ道のひとつであって、国境をこえるには、どうしてもその道を通らなければならない。つまり、ミゲルは今、この瞬間、帰路を絶たれた事になった。

突然の出来事にミゲルはどうしたもんかと悩ませている。
はっきり言って、猶予はない。
今この瞬間にも、どんな男がひらひらの薄っぺらい紙をテレジアに見せるとも限らない。

けれど、一級の剣の使いのミゲルであっても、崩落はどうする事もできない。
そして、唯一の方法であるメーリング王国への道が、なくなってしまった。

門番達は、復旧には、何人もの人の力とそれなりの財力が必要だと話している。
道が封鎖されたとなれば、ルイ王子の元へと話がいくのもそう遠くはないはず。
けれど、それまではどうにも動けない・・・・・・。。

けれど、この瞬間、ミゲルの中で、なにかふっきれた様な気がしたのは間違いではなかった。

(守れないなら、守ってみせる・・・・・・)

ミゲルの足は、たった今乗り込んだ馬車から、降りようとしていた。




「ガルム・リットンは私の・・・・・・婚約者です」

できれば、思い出したくもなければ、口にしたくもない。
テレジアの体調が悪くなったあの日、心配しながらもヴァレリーは来訪者との面会をしていた。
そして、あの男に出会ってしまった。
王国の衰退化が進んでいると街の噂になっている事を、知ったヴァレリーにガルムは提案を持ちかけた。


テレジアは、この事を知らない。
いうつもりもなかったし、知らせないまま、国をまもれると思っていた。
けれど、ヴァレリーはすぐにわかってしまう。あの男は、自分どころか、国さへも愛せない人だと・・・・・・。

すぐにヴァレリーは婚約を解消したいと言った。
けれどそんな話が通用するはずもなく、あろうことか、ガルムは、テレジアに同じ提案をもちかけると言い出した。

きっと、テレジアは受け入れるだろうと思った。同じ血が流れているテレジアなら、きっと、同じ選択を選ぶ。

思い出したように、ヴァレリーは首をふる。

そんな事、死んでもさせるつもりはなかった。テレジアの前ではいつだって笑っていたい。
心配させたくない・・・・・・。

「どうしたらいいかわからなかったの」
そんな時、メーリング王国へと集う使用人達の話から、ヴァレリーは耳にした。
メーリング王国が、吸収合併を他国と結んでいると。

「私は・・・・・・」
ガルム・リットンとの婚約はまだ解消されていない。
わずかな望みでいい、それにかけたい。そう思ってここまで来た。

「アルバンタ王国の王女、ヴァレリー・モレッツといいます」

ヴァレリーの瞳は、まっすぐに、ルイ王子を見つめていた。


・・・・To Be Continued・・・・・


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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Mon,  16 2015 06:06
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