リアルタイム: 革命◇シンデレラ - スポンサー広告革命◇シンデレラ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  •   --, -- --:--

革命◇シンデレラ

最悪のハッピーエンド

↓↓


ヴァレリーの足は、ルイ王子の部屋の前へとある。

自分の中の決心はもうついてある。
だから、それだけをいえばいい、国の情勢も、自分の身分も、何もかも話さないで、ただ一言伝えればいい。

「ルイ王子」

ヴァレリーの声が聞こえると、中から物音がした。なぜか、心臓の音はさっきよりも落ち着いていた。
ドアをあけたルイ王子は、不機嫌だとすぐに分かった。




ヴァレリーは、胸のネームプレートを外し、目の前に差し出した。
「これはお返し致します」
一度目は、迷いがあった。でも、今はもうない。震えていた手も、いつもより激しく打っていた心臓の音も、今は静かだった。
「断る」
返ってきたのはそっけない態度。
ルイ王子からどんな返答がくるかはわかっていたけれど、その結果によって、自分の決意を変える気はなかった。
胸のプレートをテーブルに置くと、ヴァレリーは何も言わずに背中を向けた。
けれど次の瞬間、引き戻されたのが分かった。
呼吸をしてしまえば息がまじりあう、そんな至近距離にルイ王子の顔があり、ヴァレリーは息をのみこむ。
「あいつに何を言われた」
ルイ王子の言葉に、ヴァレリーの瞳が一瞬揺れる。
わずか前のことを、思い出したかの様に・・・・・・けれどそれをさとられまいと視線をそらす。

「・・・・・・何も」

背けるヴァレリーの首筋に、赤い跡を見つける。ルイ王子の目の前でヴァレリーの瞳が動揺に揺れた。
ヴァレリーは体を離すと、掌で覆い隠した。一歩後ろへとさがると、すぐに背中をみせた。

「し、失礼します」
振り向いたヴァレリーの腕が、ぐんっと引っ張られる。
圧倒的な力の差で、ヴァレリーはもう一度腕の中へと戻されたのを知る。

ヴァレリーは僅か前の記憶に恐怖をまだ覚えている。

「私はこの城を出ていきます」
唇が震えているのが自分でも分かる。言葉にしのばしたのが、振り絞った最後の気丈だと気づかれたくない。
だから、ふれてくるこの手を早く離して欲しい。でも思えば思うほど握りしめてくる強さはましていく。

テレジアを今救えるのは、目の前のこの人じゃない、悪魔の契約書を握っているあの男。だから・・・・・・。

「離してください」
「お前にそんな権限があると思うか?」
権限? そんなものなんてないに決まってる。でも分かっている事と、今できる事なら知ってる。
その選択をするからこそ、幸せになる最悪のハッピーエンドが待っていることを承知で。

「お願いだから離してくだ--------」
「じゃあ、その涙はなんだ」

強く握り締める力は痛いくらいなのに、口から出てくる言葉も、その表情さえ冷たいのに・・・・・・。

(どうして・・・・・・?)
なぜこの人はこんなにも-------.。
もう限界だと、ヴァレリーの顔はくしゃりと泣き顔になった。
握られている手から、激しくもがき、逃れようとする。

お願いだから、離して、私がこの手にすがりつくまえに、みっともなくも、叫んでしまう前に・・・・・・。

ヴァレリーがどんなに暴れようとしても、ルイ王子の力にはかなわない、もがく力は鳴き声とまみれ次第に弱まっていく、残ったのは、ヴァレリーの落ちた涙と、隠しきれなくなり、振り絞り出された心の声




「助けて・・・・・・お願い・・・・・・っ」


自分の中でかくまっていた感情がこぼれ落ちてしまったヴァレリーは、力を失った。

床に尻をついて、隠した両手の中で塞き止められなくなった涙が、その隙間からポロポロと零れ落ちる。
今触れてしまえば、儚くもおれてしまいそうな華奢なヴァレリーの体を、そっとルイ王子は引き、腕の中へと閉じ込めた。
こらえてきた思いはそう簡単に止まらない。それをかまわないと言うように、ルイ王子は、柔らかなサラサラの髪をそっと撫でる。

「ヴァレリー」
ルイ王子の言葉に、泣き濡れた顔をあげる。
そっと頬にふれると、沢山の涙の筋を掌で拭っていく。
それが心地よく、とても安心した。ヴァレリーは温かい感触にそっと目を閉じた。

ふわりと触れた感触は、頬ではなく、唇にと落とされた事に気づく。
その感触が、いつもと違う。勘違いだろうか? もしかしたら手の先が触れたのかもしれない。
いつだって、ルイ王子の手は温かい。でも今触れた感触は・・・・・・。

戸惑いながらもヴァレリーは瞳をあける。するとルイ王子の手が差し伸べられたいた。

「話してみろ」

その態度はいつもと何も変わらない。
当然だ、まさかそんな事があるわけない。思うヴァレリーは手をとり立ち上がった。

ほんの数秒前のヴァレリーの閉じた世界の向こう側にだけに、真実があった。

・・・・To Be Continued・・・・・


ランキングに参加してます。もしよければ、よろしくお願い致します。
スポンサーサイト
  •   13, 2015 09:39
  •  0
  •  0

Comment - 0

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。