リアルタイム: 革命◇シンデレラ - スポンサー広告革命◇シンデレラ

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革命◇シンデレラ

花にむけた言葉
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ヴァレリーが望み、ミゲルが望んでいる、アルバンタ王国の傘下申し込み、それをすぐにも実行する為にルイ王子はヴァレリーを部屋に残して、動いていた。
それには、資格を持つ者の意思、そしてアルバンタ王国の印がいる。
幸運にも、ミゲルは今、アルバンタ王国へ行っている。その詳細を知りたいと思っていたけれど、
ルイ王子には、一番に片付けておきたい問題が残っていた。


衣裳室へヴァレリーをおいてけぼりにしたまま時間がたってしまったと思いながらも足を運んだけれど、そこにはもうすでにヴァレリーの姿はなかった。

女性の着替えにどれだけ時間を有するものか経験もなく、少々待たせすぎてしまったかと思いながらも、ヴァレリーを探す。

すると、見覚えのある影をみつけ、その肩に手をかけた。
瞬間、息を飲み込んだ。

「ルイ王子」

探していたのはお互い様であって、ヴァレリーはルイ王子の顔をみるなり、わかりやすく安堵の顔をみせた。
「あの?」
ヴァレリーの言葉に、ルイ王子はハッと正気に戻ったようだった。
不覚にも目の前の女の姿に見惚れてしまったなんて、間違いでも思いたくない。
けれど、洋服や、アクセサリーのひとつやふたつで、こんなにもイメージがかわってしまっていたヴァレリーに、瞳を奪われたのは確かな事だった。

思わず視線をそらしてしまった事に、ヴァレリーの表情が一瞬変わったのが分かった。

それが、ルイ王子に伝わったのか、ヴァレリーの手をつかみ、そのまま庭へと連れてきた。
その庭園の中から花を数個摘み取ってくると、ヴァレリーの髪に、ねじり込ませた。

「綺麗だ」
あくまでこの言葉は、花に向けたものだったようだけれど、ヴァレリーの頬を淡く色付かせるには十分だった。


親の居ない子供を育てる、シスターメイリングの教会は、城から馬車で三十分の場所にある。
ルイ王子から使いをうけたヴァレリーは、教会の前にと馬車をとめると、ゆっくりとその扉をあけた。

「ヴァレリー様!」

入ると同時に、歓声が教会に響き渡る。
わっと周りを囲んだのは、この教会の子供達だった。

「ヴァレリー様! ヴァレリー様!」
子供達は、手を繋いで輪をつくり、ヴァレリーの周りをぐるぐると回る。

ルイ王子は、この教会に古いけれどまだまだ上等のオルガンを寄付していた。
歌を歌うことが大好きな子供達は、このオルガンが大好きだったけれど、今回ヴァレリーにルイ王子が頼んだのは、知り合いの音楽家に書いてもらった楽譜。
どうやら子供達のお目当ては、ヴァレリーの手の中にあるものらしい。

「こらこら、そんなに周りを囲んでちゃ、いつまでたっても楽譜はもらえないわよ」

シスターの一人が子供達をなだめると、子供達はいっきに静かになった。
そしてヴァレリーの手の中の楽譜がもらえると、今度は一目散に、オルガンの所へと消えていってしまった。

あまりの一瞬の出来事にヴァレリーは呆気にとられていたが、その口には自然の笑が浮かんでいた。



その頃、城に残ったルイ王子は、一つの問題を片付けようとしていた。

客室の応接間にと呼び出されていたのは、ガルム・リットンだった。

入ってきた瞬間からの横柄な態度に、ヴァレリーではないけれど、虫唾が走るような気が起こった。
椅子にかけると同時に、ルイ王子はさっそく要件を切り出した。
「これは?」
ガルムの前に出されたのは、ヴァレリー・モレッツとの婚約破棄を認める事を誓う証書。
こんなもの、受け取るわけがないとでものガルムの対応。でもそれは想定内の事。ルイ王子は、胸元から、もう一枚の紙を提示した。
そこには、アルバンタ王国、そしてヴァレリーには到底用意できない程の額が記されていた。
「ほぉ」
これには、ガルムの心も少々動かされたらしい。
その紙を手に取ると、悩んでいるかのように、ひらひらとさせた。
「二度と、ヴァレリーには近づくな」
ルイ王子の声はほとんど強制だと言ってもよかった。

「さてねぇ?」
確かに提示されたものは魅力的だけれど、ヴァレリーそのものにガルムは魅力を感じている。
それを想像する瞳は、ヴァレリーが恐怖したあの時のそのものだった。
ルイ王子は、真向かいに座るガルム・リットンを、手でこまねいて、呼び寄せる。
手が届くほどにちかさになった時、ルイ王子の顔は、すぐそばまであった。きゅっと絞められている首元から、酸素があっという間に不足していく。

「これは俺なりの優しさだと思うが」
ルイ王子の言葉は、吐き出されたものとは到底比例しない。それを隠すつもりはないのか、どうなのかは読めなかった。





ミゲルが案内された部屋は、けっして豪華ではなかったけれど、整理されており、埃などひとつとして落ちてなく、綺麗に磨かれていた。そっと窓を開けると、緑多き庭が広がっている。そこ一角に、あの琵琶の木もあった。

テレジアがミゲルに土産に持って帰ってもらおうと思っていた籠いっぱいの琵琶は、小さな皿にと移されテーブルの上に置いてある。ミゲルはそれをひとつかじると、やっぱり甘味が口の中で広がった。

ルイ王子になんとか連絡が取れないかと思ったけれど、こればかりはどうしようもない事だった。
仕方ないので、ミゲルは部屋を後にすると、部屋から見えた琵琶の木がある庭へと降りてきた。
さっきまで降っていた雨は止んでいて、琵琶の実には、水滴がついていた。

すれ違う使用人達は、おだやかな笑顔で迎えてくれる。
そんな些細な事だけれど、メーリング王国にはない光景に、ミゲルは驚くと一緒に、自然と笑顔があった。

ミゲルの名前と、勇敢な行動は、もうすでに城の中に行き渡っていた。
耳をすまさなくても、聞こえてくる自分の名前に、頬をかきながら歩いていく。

けれどすぐにミゲルは、そのお得意な社交性で、使用人達の輪の中にと溶け込んでいった。




・・・・To Be Continued・・・・・


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  •   19, 2015 07:33
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