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革命◇シンデレラ

炭酸と残り香
↓↓

ヴァレリーが城からぬけ出して、いくらか時間がたった頃の事。
いつもだったら視界の中に飛び込んでくる影がいない事にすぐに感づいたルイ王子は、ヴァレリーを探させていた。
「ヴァレリーはまだ、見つからないのか」

確かにヴァレリーを見かけたと言う声はあるのに、いつの間にかふらっと姿を消したと言う。

ミゲル率いる、この城の騎士を信用をしている。
なのに見つからないこの状況に、ルイ王子は言い表せらない、感情を胸に抱いていた。

そんなルイ王子の焦り苛立つ背中に声をかけたのはバモフトだった。
振り返り見たその顔には、どうやらヴァレリーを探すてがかりを見つけたと書いていた。




ヴァレリー・・・・・・。

ルイ王子の声が聞こえたきがした。その声に呼ばれている様な気が。
初めは呼ばれることが嫌だった。ことごとく構ってくるその身勝手で気まぐれに付き合うのはまっぴらだと。
でもいつからだろう。 呼ばれる事になれたかと思ったら、心地いいと思うようになっていた。

テレジアから呼ばれるのとも、城にいる皆に呼ばれるのとも、ちょっと違う。
名前をよばれるたび、その自分とは異なる声色によばれるたび、胸に沸き起こる感情がある気がした。


「・・・・・・ヴァレリー」
やわらかく名前を呼ぶのは、アメリアだ。
確かに経験のない娘だろうと思ったけれど、その容姿に惚れ込んで体験させてはみた。
けれどたった一口でこうなってしまっては商品としては勿論、その体を心配しながらも、ヴァレリーの名前を呼ぶ。けれどそれに答える気配はなかった。

ヴァレリーの周りには、いつの間にやら人が集まっている。
真っ白く透き通るような肌は、酒に酔わされ淡く、色付く。
その眠る姿は、人魚のようだった。
「どれ、俺がおこしてやるよ」
けっして本気ではないだろうが、ヴァレリーの美しさに充てられ、そう口にするのは男。
悪ふざけをする男に一喝するアマリアは、ヴァレリーの頬をペシペシと叩いては起こそうとする。
「弱ったわね」
揺さぶっても起きないヴァレリーを、無理に起こして大変な事になってでもしたらと、アマリアは心配そうにヴァレリーを見下ろす。
何もしらないような娘がここに来た時、きっと何かわけがあるんだろうと思ったけれど、アマリアはもっとちゃんと話を聞いてやればよかったと今更後悔しながらも天井を見上げた。

そんな中、店内が、一瞬で女性の声に包まれた。
こんな時に、いらぬ客がと思うアマリアの視界に飛び込んできたのはルイ王子だった。

一度だってこの場所に足を運んだ事がない王子が姿を見せたとあって、酒場ガール達は高い声を発している。
けれどルイ王子はその誰にも目もくれずに、場の中心にある人物をみつけた。
この国でルイ王子の存在を知らないものはいない。
ヴァレリーを腕に抱きながら、アマリアは戸惑いの顔を見せた。

ヴァレリーの周りを囲んでいたギャラリーは、ルイ王子のために開いた。
ルイ王子が腰を落とすと、そこには確かにヴァレリーがいた。自分でも驚くほどに安堵したと同時、何がどうなっているのか説明がいると、アマリアの方に視線をやった。


アマリアから聞いた話は、結局、解決につながる事はなかった。
ただ、手に握り締められていた紙と、その瞳に、何も言わなくても感じるものがあったこと。
息をのみこむような容姿に、興味があったけれど・・・・・・そう話すアマリアは、最後までルイ王子に頭を下げ続けた。
お互いに悪意はなかったけれど、こんな所にルイ王子が現れただけで、きっとヴァレリーが特別なんだとアマリアは思った。

ヴァレリーを抱き上げるその姿をみて、二人の関係がどんなものかも分からないけれど、まだ始まってさえもない二人の感情をアマリアは見つめていた。

城についた頃、ヴァレリーは意識が戻ると同時、頭痛に襲われた。
さっきまで居た酒場ではなく、ここが城の中だと把握すると同時、温かい感触に包まれている事に気がついた。

「ルイ・・・・・・っ」
ヴァレリーの目の前にはルイ王子がいた。
華奢な体はルイ王子の手によって抱き上げられている。

驚いたものの、体はルイ王子によってしっかりと腕の中で拘束されている。
それに、動くと頭痛がヴァレリーを襲った。
(どうして・・・・・・)
一体何が起こったのだろう、確か隣にいた男が持っている物を飲んだら、強い苦味と一緒に炭酸が喉をくぐった気がした。
そしたら急に、気持ちが悪くなった。
「今は動くな」
ルイ王子の言葉は、機嫌が悪いような気がした。
でもどう弁解をしていいか分からずヴァレリーは黙ったままその腕の中で大人しくする事にした。

ベットの上に横たわるヴァレリーに、ルイ王子は水を差し出した。
ヴァレリーはそれを受け取ると、口にふくみ喉に流し込む。すると嫌な苦味が喉から離れていくようなきがした。

水を飲み干したヴァレリーを目の前に、ルイ王子は何も言わない。
まるでヴァレリーから言い出すのを、待っているかのようだった。

「ごめんなさい」
分かっている事は、心配をかけてしまった事。
アマリアや店にはどうこう言うつもりはない。知らなかったけれど、自分と違った世界もあるんだと知ることができた。
けれどそれをとうルイ王子に説明すればいいのかが分からないでいる。
さっき、言葉を発したとき、機嫌が悪いようなきがしていたけれど、ヴァレリーをみると、ルイ王子は一度だけ息をついた。

そしてヴァレリーの体に手を伸ばすと、露出された腕や、項(うなじ)や鎖骨などに、跡がないかと確認するそぶりを見せた。
酒場に行く事はないけれど、それがどんな風に遊ぶ場所かをルイ王子は知っている。
そんな場所にヴァレリーが行ったと馬車使いからの報告を聞いたとき、耳を疑った。

店に入るまで信じれなかったけれど、実際その瞳でヴァレリーの姿を直視した。
ヴァレリーを腕に抱いていたのが、アマリアでなければきっと・・・・・・。

「今日はもう休め」

ヴァレリーの体に、ルイ王子はふわりと上着を落としていった。
その背中に声をかけようとしたけれど、ヴァレリーにはどうしてもできなかった。
残していったそれをきゅっと掴むと、ふわりと香った残り香がヴァレリーを慰めた。




・・・・To Be Continued・・・・・


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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Tue,  10 2015 00:52
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