リアルタイム: キャバ嬢の選択 - スポンサー広告キャバ嬢の選択

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キャバ嬢の選択


掌に閉ざされた視界
↓↓

海外を拠点として活躍していたスーパーモデルが、最近、日本に帰国した。

大きく書かれた見出しの下には特集記事が書かれている。
彼女のカラー写真とその活躍ぶり。そしてこれからは日本を拠点として活躍する事。
陽の光に照らすと、かすか色付く赤毛のふんわりと柔らかいショートカット。
どの写真も可愛くて、そして美人だった。

そして帰国するやいなや、新しく恋人ができたとそこには書かれていた。
ホスト界のカリスマ。そこには新の文字があった。

「どう言う事なんですかっ!」
どういうこともなにも、それは季菜が知りたかった。
何も聞いてないし、何も知らない。

「でも、週刊誌の話なんて信憑性なんてないし・・・・・・」
莉亜に向けた言葉だけれど、それは自分自身にいい聞かせている様だった。

週刊誌の周りを三人が囲んでいると、それをパタンと閉じたのは、今出勤したばかりの沙油。
「当たり前でしょ? こんな話、嘘に決まってるじゃない」
沙油は茜にそれを返すと、この話はおしまいとばかりに季菜をその場から退散させた。


沙油の言葉の通り、週刊誌なんてあてにならない。
飛びつきそうな話題であれば、どんな風にだって掻き立てる。でも、火のない所に煙はたたないと言うように、全く接点のない二人なら、あんな大きな記事としてとりあげられないはず。

「季菜」
沙油の手にはグラス。それを受け取ると口をつける。
新を好きだと認めてしまった時から、こんな風になるのは予想していたはず。
振り回されるのが嫌だけれど、それを覚悟した上で好きになったはずだった。

でもあの週刊誌の中の写真をみた時、自分よりもふたつも若くて可愛くて、そして世界でも注目されている娘だと思ったら、言葉にできない思いに駆られた。
「確かめてくる?」
「えっ?」
「そんなに気になってちゃ、仕事も周りも見えないでしょ? 店は皆がいるし、ちゃんと自分の目で確かめてきたら?」

電話じゃなく、ちゃんと新に聞いてきなさい。そう沙油は笑うと、季菜を店の前まで見送った。

まだ気持ちの整理がついていない季菜は、星のない空の下を歩いている。
何気なく見上げたビルの液晶パネルには、モデルとしてのエマが映っていた。それは週刊誌のエマよりもずっと綺麗だった。スタイルもよくて、いくつもみせるその表情をしたから見上げているのは季菜だけじゃない。

手にスマホを持ちながら、何人もの人間が写メをとっている。
季菜は、ため息をついたあと、またゆっくりと歩き出した。


一人で考える時間が少し欲しい気がする。・・・・・・思いながらその足は、新の店からも、姫嬢からも遠ざかっていった。



街から離れた季菜が何も考える事なくフラリと入ったのはbar.
目の前の軽いカクテルに口をつけると、テーブルの上につっぷした。

沙油はああいったけれど、正直今は、話したくもない。
会いたくもなかった。
新は今どこにいるかも分からない。loopにいるかも知れない。どこか別の場所にいるかもしれない。
でも会って何をどう話して聞けばいいのかも分からない。見たのは週刊誌の記事だけ。新の言葉も、エマの言葉も聞いていない状態で、一体何をどう責めればいいのか、責めてもいいのかも分からない。
ポケットの中にある携帯を使えば、それはあっという間にわかってしまう。でも今は知りたくないと思った。

「隣、いい?」
かけられた言葉に顔をむける季菜。すでに男は季菜の隣に座っていた。
身なりからして、どこかの店のホストだと言うことは分かった。まだ出勤前なのかどうかなんて知りたくもないけれど、今の季菜が一番あいたくない分類の人間に、季菜の表情はそっけない。
カクテルをそのままに、季菜はバーテンにチェックの合図をする。
でも、男は季菜の手を握ると、もう一度席にと座らせた。その強引さに季菜は余計に機嫌がわるくなった。

今は男に付き合っているつもりはないし、今じゃなくてもつきあうつもりはない。
季菜は何も言わずに立ち上がると、カウンターの上に代金を置くと、店をあとにした。

店をでると、すぐにさっきのホスト風の男がついてくるのが分かった。

「ついてこないで下さい」
季菜は言うけれど、足音はふたつぶん、しっかりと聞こえてくる。

どうしてかこんなにもイラつく理由がはじめ分からなかったけれど、すぐに季菜は思い当たる節があると気づいた。
ピタッと止まった足。勢いよく振り返った季菜は、その男を睨んだ。
(この強引な感じ・・・・・・)
新を彷彿させた。

心の中で整理が出来ていないまま、赤の他人にまでやつあたりしてしまいそうで季菜は目を伏せる。
目の前からさっさと消えてくれればいいのに、思う季菜だけれど、男はそうするつもりはないようだった。

「慶(けい)って言うんだけど」

名刺を渡されたけれど、やっぱり季菜は機嫌が悪い。
別に容姿が気に食わないわけじゃない。ごまんといるホストの中でもきっと上位をしめていると思う程の顔。
スーツの下にはセンスのいいシャツを着こなしている。
だからこそ、自分じゃなくてもいいはずなのに、どうしてか立ち去らない慶に、季菜は苛立つ気持ちを抑えながらも背中を見せる。

でも振り向いた季菜の表情が凍った。

様子がおかしいと思ったのか、慶は季菜の視線の先をみた。
そこには慶も知っている人物がいた。
一人は彼の業界でカリスマと言われている男。そしてもうひとりが、最近帰国したと言われるトップモデル。

まだ気持ちの整理ができてなかった。今、会えばきっと嫌な女になるのがわかってた。
だからまだ会いたくなかった。
嘘でも本当でも、ちゃんと新の言葉を聞ける様になってから・・・・・・そう思ってたのに。

凍りついた季菜の視界。でもすぐにそれは暗く光を閉ざした。
柔らかい手の温もりが、慶のものだと気づいたのは、その僅か二秒後の事だった。



……To Be Continued…


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  •   17, 2015 07:51
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Comment - 2

Thu
2015.03.19
00:12

-  

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2015/03/19 (Thu) 00:12 | REPLY |   
Thu
2015.03.19
14:35

ツンデレ  

Re: はじめまして(*^^*)

初めまして、ツンデレと言います^^
コメント、凄く凄く嬉しかったです!!!

一時更新できなかったのは、とても大変な病気に突然なってしまい、実に10ケ月の間、意識がありませんでした。そこから意識が回復。そこからの一年間のリハビリ。

意識が戻った時には記憶もなく、序所にもどってくる記憶の中、小説と読者様のことを思い出してはみたけれどパスワードもメールアドレスもわからない。
そこからまたここまで頑張って戻ることができました。

私にとって小説は生活と体の一部だと思っています。
これからも、がんばります。また思い立った時でもコメントもらえると、うれしいです。
小説をかいていて、読者様の感想をもらえるときが、一番至福な時だと感じてなりません。
これからも、胸にきゅんっと響くような小説を書きたいと思ってます!

2015/03/19 (Thu) 14:35 | REPLY |   

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