リアルタイム: 革命◇シンデレラ - スポンサー広告革命◇シンデレラ

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革命◇シンデレラ

招待状と髪飾り
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その翌朝、メーリング城の門をくぐっていたのは、アマリアだった。


窓の外を見ていたヴァレリーは、昨夜、突然意識を失ってからの記憶がないこと。
自分の服についていた香りは、たしかに煙にまみれたものだったはずだったのに、かすかルイ王子のものがついていた事。どうやってここまで戻ってきたかは分からないけれど、ほとんど意識がなかった中、なぜか安心する温もりにつつまれていた気がした。でもそれを認めてしまうと、大変な事をおもいだしてしまいそうで、ヴァレリーはため息をついた。

心のモヤモヤを納得させるためには、ルイ王子に会って話を聞くのが一番てっとりばやい。
けれどそんな事、できるはずもなく、ヴァレリーの足は起きたときから部屋をでていない。

そんな時、ドアの向こう側からノック音がした。
ヴァレリーは戸惑いながらも、ドアに近づき、返事をする。
「ヴァレリー」
返事を返したのは、ルイ王子ではなくアマリアの声だった。
ほっとした気持ちを胸に、ヴァレリーはドアを開ける。
「アマリアさん」
アマリアはヴァレリーの顔をみると、安心したように、朝のあいさつをした。

二人分のティーカップをテーブルにおき、ヴァレリーは腰をかける。アマリアはそれに一口つけると、口をひらいた。
「ごめんなさいね」
慌ただしかった昨夜から、アマリアはずっとヴァレリーの事を心配していた。
「いえ、私こそご迷惑、おかけしてもうしわけありません」
記憶がないままだけれど、何か問題があったとすれば、それはアマリアのせいではなく自分のせいだ。
けれどアマリアは、昨夜あの場にルイ王子が来た事をしっている。
その場の誰にも目もくれず、その目にはヴァレリーだけが入っていた。当たり前のようにヴァレリーに触れると、その体をまるで自分のものかのように抱き上げた。
「私が悪いんです」
頭をさげて謝るヴァレリーの手をアマリアはとる。
「ねえ、ヴァレリー、もしよかったら、ほんの少しだけでも聞かせてくれないかしら?」
突然来たヴァレリーと、ルイ王子、そしてメーリング城。その些細な一部だけでも、アマリアはそう優しくヴァレリーを見つめた。


すべてを話す事は出来ないけれど、いつもしてもらってばかりいるルイ王子にお返しの気持ちがあった事。
貼っていた広告をみては、それをやってみたいと思ってた事、けれどこんな世界があるとは知らずに戸惑ってしまった事。
アマリアは自分の仕事に誇りをもっている。その尊厳をおかさないように、ゆっくりと話をした。
「そう」
会ってまもなくのヴァレリーだけれど、この娘が人に愛される理由はわかる気がした。

「あの・・・・・・昨夜ルイ王子は・・・・・・」
気まずそうにヴァレリーが話す様子をみて、おそらく自分でも予想はついているのだろうと思った。
だからアマリアは頷いた。
「そうですか」
やっぱり、昨夜ルイ王子はあの店へと来たんだと、これで確信がもてた。
どこでどうやって知ってしまったのかは問題じゃなかった。きっとルイ王子が知りたいと思えば、なんだって知ることができる。気持ちを返すどころか、心配させてしまい、あの醜態をみられたヴァレリーは目に見えて気分を落ち込んでいた。
アマリアもそれを分かって、どうにかしてあげたいけれどそれが見つからない。
そんな時、ふとテーブルの上にある一枚の紙を見つけた。
「今夜、これに出席をするの?」
アマリアの手の中にあるのは、舞踏会の招待状。
そういえば、バモフトにもらっていたのを忘れていたヴァレリーは、今思い出したけれど、正直そんな気分ではない。
「分かりません」
今夜出席をして、今度あんな醜態を見せてしまったら、きっと自分は生きていけない。

けれど、アマリアは、この場こそがヴァレリーにふさわしいと強く思った。
「ヴァレリー、参加するのよ」
アマリアの気持ちは強く伝わってくるけれど、やっぱりヴァレリーはその思いに共感できない。
返事する事が出来ないヴァレリーの手をきゅっと握る。
「大丈夫」
今度こそ信じてほしい。アマリアはヴァレリーに微笑んだ。



舞踏会が始まる、一時間前。
城のなかはその準備に騒然としていた。
食器を運び、重なる慌ただしい音に、沢山の使用人の足音。城の外でも、そんな様子は伝わってくるようだった。
今日は、特別な日。
アマリアは、ヴァレリーになんとか舞踏会に参加する意思を持たせると、一度城から出て行った。

ヴァレリーはクローゼットの中から、ドレスを出すと、それをじっと見つめている。
あれから結局、ルイ王子は城に戻ってくる様子はなかった。
それが安心するのかそうでないのか、ヴァレリーの気持ちは複雑で分からない。
悩んでいるなか、刻々と時間は過ぎていく。すると今朝したようにドアの向こう側からノック音がした。
ドアを開けたヴァレリーの心臓は止まるかと思った。

「ルイ王子」

目の前にルイ王子がいる、たったそれだけで・・・・・・。
「あの・・・・・・っ」
謝らなければ。犯してしまった過ち、そして醜態。でも何から謝らなければいいのか分からない。

「入るぞ」
戸惑うヴァレリーの横を通り過ぎるとルイ王子は部屋の中に入ってきた。
そして、辺りを見渡すと、視界の中にあるものを手にとった。
「これを・・・・・・」
ルイ王子の手の中にあるのは、二人で買い物にいったときにくれた、高級な箱。
「お前にやったものだ」
ルイ王子の言葉に意味が分からないヴァレリーは、ただその顔を見つめる。
口を開こうとしたその瞬間、部屋の外から、今度は別のノック音がした。
言いかけた言葉を飲み込んだヴァレリーをそのままにルイ王子は部屋を出て行ってしまう。
それとすれ違いに入ってきたのは、アマリアだった。

ルイ王子を目の前にしたアマリアはとても驚いていたけれど、今はそれどころではない。
まだヴァレリーの気持ちが変わっていない事を祈りながらも、その手の中にある箱を見つける。
「あっ、これはルイ王子がくれたんです」
アマリアがみても、それがどんな高価なものなのかは分からない。
けれどその中身をみた彼女は、心の中で感じていた思いに確信をもてた様だった。

「招待状はルイ王子にもらったの?」
「いえ、彼の執事からもらったんです」
ルイ王子の執事からだと言う事は、必然的に招待状を渡したのが誰かは明白だ。
「それで、これをルイ王子からプレゼントされたのね?」
プレゼントなんて大げさだと思う、でもこんな高価なものをもらって、それがどうしてかだと言う理由はまだヴァレリーには分からないでいる。

アマリアは、時計をみるとヴァレリーの肩をしっかりと掴んだ。
「いい? 舞踏会に参加しなきゃいけないのよ」
バモフトからもらった招待状、ルイ王子からもらった髪飾り、そしてアマリアの言葉。
なにひとつ分からない事だらけだけれど、ヴァレリーは頷ずくしかなかった。


・・・・To Be Continued・・・・・


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  •   21, 2015 08:08
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