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革命◇シンデレラ

うち秘の思い
↓↓

注目を浴びていたのは確かにエルマラード王女とルイ王子だったはず。
影に隠れるようにそっと様子を伺っていたのは確かに自分だったはずなのに・・・・・・。

ルイ王子の手と重なるのはヴァレリーの手。
優雅な音楽とともにリズムを刻むふたつの体は、この広間の注目の的だった。

ルイ王子が一体何を考えているのか分からない。
踊る二人の脇には、エルマラード王女の姿がある。それを必死に見ないようにしているつもりだけれど、気になってしかたがない。
「お前は、てっきり踊れないかと思っていた」
頭上からのルイ王子からの言葉に、思わずヴァレリーが小さく噛み付く。
「そ、それくらいっ、私だって踊れます」
そうは言うものの、内心は、テレジアと二人、ダンスのレッスンをうけていたかいがあったと胸をなでおろしていた。レッスンの間、もっぱらヴァレリーの相手をしていたのはテレジアだった。
恥ずかしがる二人の緊張をほぐすために選んだ相手が、今、ルイ王子に変わっている。


同じ背丈で同じ顔。なのにいま、少しみあげてあるのは・・・・・・。
ただでさえ緊張する気持ちがあるのに、まるで見世物のように注目されている今の状況は、ヴァレリーの体をかたくさせる。
それを見越したかのようにルイ王子の手は、ヴァレリーの体が動きやすいようにと気持ちをやわらげる。


ステップを踏むヴァレリーの視界のなかに、幾度となくエルマラード王女の姿が入る。
そのたび視線をそらす自分の行動が不思議だった。
でも、王子が跪いたあの瞬間、なぜか心臓がたかなった。目の前の光景が信じられないと思う反面、エルマラード王女ではなく、自分の手に唇が触れた時に・・・・・・・・。

ヴァレリーの足はピタリと止まる。
「どうした」
ルイ王子は不思議そうにヴァレリーを見下ろした。
(いいえ・・・・・・まさかそんなはずあるわけないわ)
自分の思考を訂正するようにヴァレリーは視線をそらす。すると、エルマラード王女と視線が重なった。
「・・・・・・・っ」
ヴァレリーはルイ王子との間をあける。

まだ音楽はなりやんでいない。
ルイ王子の手は、離れたヴァレリーの体を引き戻そうとする。
けれど拒むようにヴァレリーの体は後ろに引いた。
(私は・・・・・・この人と一緒にいてはいけないわ)

アマリアの言葉も分からない。
髪飾りの意味も分からないまま・・・・・・。

でもヴァレリーは、たったひとつ、気づいてしまった思いがあった。

「ごめんなさい・・・・・・」
ヴァレリーの視界は、ルイ王子の姿をゆっくりと拒むように瞳をとじた。
ルイ王子は胸にまだすこしだけある感触をつかもうとする、けれどするりとそれは抜け出してしまった。
そして、その姿に背中をむけると、立ち尽くすルイ王子をそのままに、あるきだした。







ヴァレリーは、部屋に戻ると、簡単に荷物をまとめていた。
一緒にいてくれる安心感が、いつどこで変わってしまったのかは分からない。

そんな接点がどこにあるかと探してみれば、ありすぎるくらいに片鱗は、あちらこちらに落ちていた。
それをきっと先に気づいてしまったのは、エルマラード王女だった。
「私はなんてことを・・・・・・」
決して気づいてはいけない感情にきづいてしまった。

一刻も早くこの城から立ち去らなければならない。
誰のためでもなく、自分のために・・・・・・。

ドレスを脱ぎ捨てると、ヴァレリーの頭から髪飾りが落ちた。
ヴァレリーは床に転がったそれを、ゆっくりと拾い上げた。
目をとじると、ルイ王子の顔が浮かんでくる。そっけなく冷たい瞳が、やわらぐ合間を見るたび、すこしずつ惹かれていってしまった。遠慮なくふれる温度が当たり前になったとき、それを心地よいと思う自分がいた。

髪飾りを、ぎゅっと胸にと抱きしめる。

「なぜ今になって気づいてしまったの?」
気づかなくてもよかった。知らないままがよかった。

ルイ王子にはふさわしい相手がいる。ヴァレリーの閉じた視界のなかには、ルイ王子と並ぶエルマラード王女が映る。

ここに居てはいけない。
何度も出ていこうとしたけれど、今、こんなにもそれを拒むヴァレリーがいた。
流れる涙の思いがつらすぎて、顔を覆う。

帰らなきゃいけない、なのに、帰りたくないと思う自分がいる・・・・・・。
離れなきゃいけない、なのに離れたくないと拒む自分がいる・・・・・・。

(あの人を、愛してしまった・・・・・・)

赤い糸の先、けっして結ばれることはない相手を、愛してしまったことを、ヴァレリーは知ってしまった。

・・・・To Be Continued・・・・・




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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Sat,  28 2015 07:35
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