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革命◇シンデレラ

灯りなき音
↓↓

たったひとつのカバンを持ったヴァレリーの姿は、城の門の前にといた。

当然だけれど、門番がたっていることくらい知っているし、ここから出られるなんて思っちゃいない。


(他に何処か道はないかしら)
暗い視界を見回すヴァレリー。でも城は高い門にぐるりと囲われている。ヴァレリー一人なんて、たやすく見つかってしまうのはわかりきっていた。
ヴァレリーはぎゅっとカバンを胸に抱きしめる。
その中にはあの髪飾りも入っていた。

しばしの間、ヴァレリーがその場に立ち尽くしていると、どうやら時間は交代の時をしらせた。
前からも後ろからも門番がくることに焦ったヴァレリーは、どこかに身を隠すことを選んだ。
城の左右にある、見張りの塔。ヴァレリーはそこに逃げ込んだ。

小さくてゆるやかな階段が続く塔をヴァレリーは登る。
灯りもなくて、足場が見えない。だから何度も足をつまづきそうになった。それでもヴァレリーは上りつづけた。

カツンっ。
その音は何かが落下した音だった。振り向いたヴァレリーは、まさかと思いながらもカバンを探る。
「・・・・・・ない」
ルイ王子に貰った、髪飾りを落としてしまったようだった。
暗闇のなか、ヴァレリーは身をかがめて手探りで探す。けれど見つからない。
下に落ち、転がったのは分かっている。だからヴァレリーは一歩一歩、慎重におりながらも髪飾りをさがす。

(ない・・・・・・)
あれだけは、置いてくることができなかった。
最後の思い出に、せめて側に居た証として、持って帰りたかった。
あきらめきれないヴァレリーは、更に階段を下りながらも探し続ける。
あまりにも必死になっているせいで、近づいてくる足音にヴァレリーは全くきづくことができなかった。その足音は着々と近づき、とうとうすぐそば、声をかける事ができる距離にといた。

「そこに居たのか」
暗闇のなか、聞こえた声にヴァレリーの体はひくりとなる。

信じられないと思いながらも、ヴァレリーは目をこらして、自分の下をじっとみてみる。
すると幻ではなく、確かにルイ王子の姿があった。
そして手の中には、ヴァレリーが必死になって探していた髪飾りがあった。
息をのみこみ、落ち着けと気持ちを促す。

「どうして、ここが・・・・・・」
こんなにも早くなんて、ありえない。
けれどそんな事は、ルイ王子にとってどうでもいい事だった。
「こんな所で何をしているんだ」
言いながらも、その声はヴァレリーに近づいてくる。
ヴァレリーは、離れようとせんとばかりに、近づいてくる距離から、階段をあがり逃れようとする。
「帰るんです」
暗くて音もない。だからヴァレリーの声とルイ王子の声はよく通った。
「何処にだ」
「私の国にです」
狭くなる距離から逃げようとするヴァレリーはルイ王子に背中をむけた。
そして階段を駆け上がろうとした。
「きゃっ」
足元がふわりと浮かんだと思えば、ルイ王子との距離は一センチもなく、捕まえられてしまったと気づいた。
「離してください」
すぐ後ろにはルイ王子がいる。
「逃げられると思うか?」
耳元にささやかれるような声に、ヴァレリーの体はゾクリとした。
「離してくださいっ!」
するとルイ王子は、ヴァレリーに髪飾りを見せた。ヴァレリーはそれをルイ王子の手の中から取り上げるとぎゅっと手の中にしまいこんだ。
この人の側にいちゃいけない。離れなきゃいけない。思いながらヴァレリーは腕のなかでもがく。でもそうすればそうするほど、痛いくらいにルイ王子の手の力は増した。

そしてしばらくして、観念したかのようにヴァレリーはおとなしくなった。
ゆっくりと足が地につくころ、ヴァレリーは口を開く。
「私は帰らなきゃいけないんです」
「何かあったのか?」
「いいえっ! 何もありません! でも早く帰りたいんですっ」
帰らなきゃいけない、今、側にいてこんなにも気持ちが揺さぶられる。
「断ると言えば?」
ルイ王子の言葉にヴァレリーは首を振る。
首筋に息がかかる。すぐそばに吐息がある。


「ルイ・・・・・・お願い、国に帰して・・・・・・」

これ以上愛してしまったら、引き返せる気がしない・・・・・・。

頬に流れる涙はそっと拭われた。
これが最後かもしれないと思ったら、愛おしくてもっと涙が溢れた。
そして閉じた瞼の向こう側、ヴァレリーに唇にふわりと感触がふれた。
ゆっくりと目をあけたヴァレリーは、残された熱の跡に触れる。
ヴァレリーはこの感触を知っていた。

呼び戻される記憶が、真実を伝えた頃、開けた瞳のなか、ルイ王子の手はヴァレリーの項(うなじ)をゆっくりとひく。そしてもう一度、その感触は優しくヴァレリーに触れた。

柔らかい感触が離れた時、二人の距離はわずか数センチ。その隙間からヴァレリーの声が漏れる。
「ルイ・・・・・・」
愛おしくてたまらないとその名前を呼ぶと、優しかった熱が噛み付いた。
「ルイ・・・・・・っ」
きつく抱きしめられたかと思ったら、舌がからみついた。
控えめに掴んだ服から手を離したかと思えば、思いに応えるようにその背に手をまわす。

許されるのだろうか? この人を愛しても。 
その答えを知りたいと名前を呼ぶ。
けれどすぐにそれも塞がれる。与えられる熱は、名前なんてよばなくていいとばかりに、激しくまして行った。

・・・・To Be Continued・・・・・




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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Sun,  29 2015 08:15
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