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革命◇シンデレラ

満月の誘い
↓↓ あの人が言っている事は、どこまでが本当なんだろうか?
両手に余る花束を、花瓶にさすヴァレリーはそんな事を思っていた。

ルイへの思いに気づいた瞬間、気づかなければよかったと本気で思った。
最初はからかわれていると思っていたけれど、そうじゃないと思いはじめてきている自分に戸惑いは増すばかり。

「ヴァレリー様」
この城で、ヴァレリーの名前を呼ぶのは、ルイか、このバモフトしかいない。
「これを」
トレーの上にあるのは、ホットドリンクだった。
すぐに意味を理解したヴァレリーは、バモフトの手からそれをうけとり、ルイの部屋をノックした。
返答がなかったので、いないのかと思ったけれど、鍵はしまっておらず、とりあえず開けてみるとことにした。
ゆっくりと部屋のなかにはいると、机の上で眠っているルイを見つけた。そっとトレーをおいて近づいてみる。
ヴァレリーが来た事にまったく気づかないようで、寝息は深く感じた。

広い部屋は案外片付けられており、けれどそこは沢山の書類で溢れていた。

いつもふらっと姿が見えなくなる様に感じていたけれど、きっとそれだけ彼が忙しい身だと言う事を表している。
重なる書類にふと目をむけると、そこには、一枚の用紙があった。
それはアルバンタ王国への援助の容認書類。そして資料があった。

外側からみれば、ルイはとても意地悪だと思う。
でも口には出さないけれど、いつだって見えない所から助けてくれる事をちゃんと知ってる。
ルイに近づくと、そっと髪に触れてみた。
いつもルイに髪にふられれると、胸がたかなって仕方がない。今こうしてルイの髪にふれると、温かい感情に包まれていくようなきがした。

この人の事を、もっともっと知りたい。
ヴァレリーはそう思った。

夜もふけた頃、ヴァレリーがふと窓の外を見ると、雲が晴れ、くっきりと姿を現している満月がみえた。
魅せられたように、ヴァレリーの足は庭の方へと向いた。

この街は賑やかでいつも音がある。
けれど今この瞬間とても静かで、夜であたりは暗いのに、昼間とは違う灯り、満月が綺麗だった。
(綺麗・・・・・・)
満月はあまりにも大きくて、こうやって手をさしのべてしまえば届きそうな錯覚を起こす。

ヴァレリーの手に、そっと影が重なったと思えば、そっとその熱が重なった。

この人は、いつも突然に現れる。

「今日は驚かないのか?」
ルイの言葉に、ヴァレリーは頷いた。
自分の様に満月に魅せられたのか、知った影をみつけここに来たのかは分からない。でもこの瞳にうつる光景を共感できるのが嬉しかった。

ヴァレリーはルイの方に体を向ける。
「ありがとう」
ヴァレリーの言葉の意味が分からないルイは、なんのことだと顔をする。
「テレジアから手紙が届いたの」
あぁ、そうか、ルイはそんな安堵の表情の中に喜んでいるようにも見えた。
ルイの部屋は沢山の書類に囲まれていた。でもその中心にあったのは、アルバンタ王国の事だった。
忙しい身なのに、さりげない優しさを持った意地悪な人・・・・・・。



「ルイ」
こんな近い距離で名前を呼ぶだけだけれど、こんなにも幸せだと思わせてくれるのは、きっとこの人だけだ。
ふわりと背伸びをしたヴァレリーのつま先は、引き寄せるようにルイの肩を掴んだ後、ゆっくりと、でもほんの少しだけ柔らかい唇に触れた。

「あなたが好きよ」
驚いたようなルイの顔をみると、ヴァレリーはふわりと笑った。
ルイは、ヴァレリーの体を優しく引き寄せると、今度は自分からヴァレリーの唇に重ねた。

そしておかえしだとばかりに、口を開いた。
「もう知ってる」





同じ空の下、アルバンタ王国の窓から、テレジアは満月を眺めていた。
満月の空の下で願い事をすると、願いがかなう。そんな迷信を信じては、よく願い事をしていたテレジア。
(ヴァレリーは元気かしら?)
少し前は彼女の身を案じていたけれど、なぜかミゲルがきてから、風向きが変わって行く気がしている。
だからヴァレリーもきっと元気だと思えた。

この満月の下で、テレジアはそっと瞳をとじ、両手を合わせる。
閉じたその中、浮かんできたのはミゲルの顔だった。両目をあけたテレジアは、今一瞬自分が何を願ってしまったのか驚いた。
(私ったら・・・・・・)
今のはナシとばかりに首を振る。

「テレジア様」
このタイミングでかけられた声に、息がとまる思いをしたテレジア。
心臓の前に手をやりながら、なんとか応えた。
「突然で驚きました」

隣にならんだミゲルに、この心臓の音がきこえてしまいやしないかと気がきじゃない。その位、今この場は静かだった。
「今日は満月なんですね」
ミゲルの言葉にテレジアは頷きで返した。

ミゲルがアルバンタ王国にきてから何日か、こうして隣にいるのが当たり前になっている気がする。
少しまえまで、この場所はヴァレリーのものだった。
それがなくなってずっとさみしさばかり胸に押し寄せていたけれど、今は・・・・・・。

ミゲルのほうに視線をやると、丁度合わさりそらしてしまう。

「テレジア様、知ってますか?」
ミゲルの質問に、耳をかたむける。
「満月の夜に願い事をすると、叶えてくれるんです」
テレジアは驚いた。
まるでおとぎ話の様な迷信を、ミゲルの口から聞いたのだ。

「し、知ってます」
どんなにヴァレリーに笑われても、そう信じた。
「テレジア様は、何を願ったのですか?」
ミゲルの言葉に、テレジアはわっと顔をあからめた。
「い、言えませんっ」
ふうんと、ミゲルは笑う。
「確かに、言ってしまうと願いは叶わないと言いますからね」
それは知らなかった。
聞いたテレジアは、言わなくて心底ほっとしてしまう。
そんなテレジアを見てミゲルは笑う。
「叶いますよ、きっと」
うつむくテレジアの表情は分からない。ミゲルの顔は、満月へと向いていた。

・・・・To Be Continued・・・・・


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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Sat,  25 2015 17:24
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