リアルタイム: キャバ嬢の選択 - スポンサー広告キャバ嬢の選択

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キャバ嬢の選択


新と慶

↓↓↓

いつもなら、二人並んで歩く歩幅は違わないはず。でも今、新の足は季菜よりも早かった。
「新、待って」
人ごみの中で、新を見失ってしまいそうになる。
呼んだ声が届かないのは、新がそれを望んでいないからだ、そう思って季菜は足をはやくする。
「新、待って!」
さっきよりも大きく出た声と一緒に、季菜は細い手を伸ばした。新に届くよう、捕まえられるようにと。
その感触が掴んだと思った瞬間、季菜に安堵の表情が一瞬浮かんだ。

大きく息を吸って吐いた。何度も、何度も。
そうして季菜の視界に飛び込んできた光景に驚いた。
「慶・・・・・・」
こんな場所で、このタイミング。季菜は目の前にたっている慶が信じられないでいる。

全ての根源はこの男だ。そう思うとこみあげてくる感情がある。けれど今はそれよりも優先させなきゃいけない事があった。
言いたい事を飲み込んだ季菜は、無言で慶の前を通り過ぎた。それと同時に慶の手から逃れるつもりでいたけれど、そうはさせてくれない慶の手は、季菜の腕を掴んだままだった。

「離してください」

季菜の声は焦りをふくみつつも、慶に冷たかった。
なぜ今ここで出会ってしまったのが、慶だったのだろう。
離してくれとばかりに、季菜の手は慶からもがくように離れようとする。

「ねえ、あれって、季菜じゃない?」
そんな二人のやりとり間に、挟まれるように周りから声が聞こえた。
季菜は視線を向けた瞬間、シャッター音が季菜を捉えた。
その音に反射的に目を閉じて逃げる素振りを見せる。その時、覚えのある感触に包まれたのが分かった。


(・・・・・・新)

季菜の手は、いつのまにか慶の手からするりと抜けていた。
新は、腕の中に季菜を抱き込んだまま、その視線はまっすぐに慶に向けられている。

二人初対面かどうかも分からないけれど、同じホストと言う職業柄、名前くらいは聞いたことがあるかもしれない。
鉢合わせた事に戸惑いを覚えるなか、季菜はそんな事を考える。
新はどこまで知っているのだろう。まだ自分でさえ知らない事だらけなのに・・・・・・。

でも今これ以上何かトラブルをおこして欲しくない。
新と話をしたい。でも、慶とも話をしなくちゃいけない。

「季菜ちゃん」

新の目の前で、名前を呼ばれた。たったそれだけの事に、季菜は動揺した。
まだ新になにも話せていない。そんな中、まだ会って間もない慶との浅い関係を新に知られた事がこわかった。

「行くぞ」
新はなにを思っているのか分からない。でも新に従う事しかできなかった。
でも、季菜の体はその場から離れる事ができない。さっき抜けた腕を、再び慶は掴んでいた。

新の不機嫌になる様が手に取るように分かる。話しの出処は確かに新だ。けれど今悪いのは自分である事は分かる。
「慶」
まっすぐに見つめながら、季菜はそう言葉を吐いた。
季菜の声は、掴んだ手を離してほしいと言っている。

「また泣くのか?」
慶の言葉に季菜の喉がコクリとなった。

季菜の瞳は動揺に揺れた。誰よりも、この新には知られたくない。あの夜こらえきれなくなった感情も。その涙のわけも。
どうしてそんな台詞が口から出せるのかと、季菜は真っ直ぐに慶を見る。

新が季菜の方を見たのが分かった。
新と慶を目の前に、何も言える気がしない。
この場から逃げ出したい、揺れる季菜の瞳に涙が滲んだ季菜は、瞼をとじた。

今にもこぼれてしまいそうな季菜の感情に、新と慶は同時に気づいたようだった。
掴んでいた手を慶はゆっくりと離す。新は、季菜の細い肩を自分の中に囲ったまま、その場を過ぎ去ろうとする。
その視線は、同時に互を捉えていた。




……To Be Continued…





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  •   07, 2016 16:12
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