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革命◇シンデレラ


目が覚めた時
↓↓↓ 雨が降り始めたことは、覚えていた。
視界が夜になるにつれ、ただでさえ薄暗かった視界が暗闇にと変わるのが恐かった。
濡れてしまった服が、まるで人の手足のように行く手をはばむ。
体中の体温が、雨にさらわれるのを止められず、声をだすことさえ拒んだ。
必死でこらえていた涙は、いつの間にかせきをきったように流れていた。

そんな冷たいなか、ふと温かい温もりが触れた気がした。
それはとても安心できて、心地よく、確かめるために目を覚まそうとしたけれど、その声と、その体温に、このまま身を委ねたいと思った。

瞼をゆっくりと開けたテレジアの視界に、最初に入ってきたのは、見た事もない天井とシャンデリア。
人差し指を動かしてみたけれど、動かない。そこで初めて、なにかに掴まれているのだと分かった。
「ミゲル様……」
ベットに横たわるテレジアの両手をぎゅっと握り締めたまま側で眠っているのは、ミゲルだった。

そうか……、あの感触は……。

失った意識のなかで、自分を救ってくれた温もりは、ミゲルだった。
テレジアの手は、ゆっくりとミゲルの手の中から抜け出すと、そっとその髪に触れた。
愛おしいとその、髪をくしゃりと遊ばせる。
すると、その感触に触れ起きたミゲルは、テレジアに気づき、ハッと身を起こした。
「テレジア様!」
名前を呼び、言葉にしてみると同時に、その視界は、テレジアの全てを見渡す。
体をぬぐい白い肌は戻ったところで、その擦り傷はまだ痛々しい。
ミゲルの不安げな表情に、柔らかく笑うテレジアが映る。

どれだけの思いで、自分を探し出してくれたのか……。雨水で汚れ、泥にまみれ、でもそんな事を気にもしないまま、ただひたすら探し続けてくれた昨夜のまま、ここに居てくれたのはその姿を見れば一目で分かった。

「すいません……」
謝ったところで、何がどうなるわけでもない事が分かっているからこそ、ミゲルは自分が許せなかった。
ほんの僅かな時間といってしまえばそうだけれど、その一瞬の気の緩みが招いた事態は取り返しのつかないものになる所だった。
テレジアが行方不明になってから、平然としていられる気がしなかった自分。
冷静に考えなければと思えば思うほどに、振りほどけない嫌な想像が頭のなかを侵食していく。
小屋に入ったあの瞬間、絶望に打ち付けられた。そして名残を見つけた瞬間。森のなかでただひたすら走り、声をあげることしかできない自分の無力さ……。

テレジアを前に、ミゲルは頭をあげることができなかった。

そんなミゲルを目の前に、テレジアは、首を横に振った。
「いいんです、助けてくれてありがとう」
打ちひしがれているミゲルにどんな言葉をかけたとしてもこの人はきっと自分を責めるのだろう。
それが分かるゆえに、こんな簡単な言葉しかでてこない。
あの暗闇の中で、何度呼んだだろう。もう助からないと思いながら、もう駄目だと諦めそうになりながらも、ミゲルの顔を思いだした。きっと、きっと助けてくれると。


「ミゲル」
頭をあげられないままのミゲルの背中に声がかかった。それはとても聞き覚えがある。
信じられないと思いながらも振り向いた先には、ルイがいた。
予想もしなかった人物に、驚いたミゲル。更に上回る声が、ルイの後ろから姿を現した。
「テレジアっ!」
ルイの後方からの声、そのルイを抜けるように姿を現したのは、ヴァレリー。
「ヴァレリー」
ベットの上でテレジアは、その姿に驚きを隠せない。
ヴァレリーは、テレジアの擦り傷だらけの体をみると、無我夢中でその体をぎゅっとヴァレリーは抱きしめた。
「何があったの!?」
強く抱きしめてくる力に驚くテレジア。まだ回転のついてこない状況に混乱ばかりましていく。
ヴァレリーは、何も知らないはずなのだ。
すれ違うように辿ったみちから、連絡の手段なんてひとつもなければ、この事態に気づけるはずもない。
でも、今抱きしめてくるのは、ヴァレリーに間違いなかった。
言葉のでてこないテレジアを心配したのか、ヴァレリーはその体を離し、今一度テレジアをじっとみつめた。
白い肌は、擦り傷だらけになって、いつもの透明感はない。
華奢ですらりと伸びた手や、綺麗な爪の形は、ボロボロになり土がくいこんでいる。どれだけ必死になっていたのか、こんなテレジアを見た事がなかった。
ヴァレリーの目には、みるみるうちに、涙が溜まりこられきれなくなり零れた。
何を言葉にしたらいいのか、分からず、もう一度その体をぎゅっと抱きしめる。
「・・・・・・テレジアっ」
何があったのかは分からない。ただテレジアが恐怖と絶望の中で必死に戦いながらも助けてほしいと願っていたのは届いた。
ヴァレリーの力は、更に増していく。
まさか胸の中で何度も募った思いがヴァレリーに届いたなんて予想もできないテレジアだけれど、それに応えるように、テレジアはヴァレリーの背中をぎゅっと抱きしめ返した。




「ヴァレリー」
ルイからの声に、ヴァレリーは、やっと落ち着きを取り戻したように、ベットから離れると、すぐ側にあるミゲルに気づいた。
「ごめんなさい」
テレジアのあまりの状況に取り乱してしまったことを恥じるようにその目を拭い、ミゲルに深く頭を下げた。
「ありがとう」
この何も分からない状況の中で、唯一分かることがあるとすれば、ミゲルがテレジアを救ったという事実だ。
「いえ、申し訳けありません」
テレジアに続き、ヴァレリーにも合わせる顔がない。そうミゲルの表情は、浮かばない。
その言葉に、ヴァレリーは大きく首を振った。
「いいえ、きっと貴方のおかげよ」
まだ濡れた目が乾かないヴァレリーの瞳は、それを確信していた。そして心からミゲルに感謝の気持ちを浮かべていた。


・・・To Be Continued・・・・・


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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Sat,  18 2016 21:11
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