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革命◇シンデレラ

てのひらの中の秘めごと

↓↓↓ いくつもの馬車が城から着いては去っていく時間が過ぎた頃、ヴァレリーとテレジアは使用人たちの手によって姿を変えていた。
テレジアとヴァレリーはとてもよく似ている。勿論双子だから当然だ。
髪の質や性格は違えど、顔は同じ。だから二人を見間違う事はよくある事だ。

「テレジア、よく似合ってる」
ヴァレリーの目の前にいるテレジアは真っ白のゴージャスなドレスに身を包んでいる。
頭の上には控えめだけれどしっかりと光を放つティアラ。細い指には宝石が存在を主張している。

対するヴァレリーは、水のように透き通るほど美しい蒼いドレス。ストレートヘアをアップにし、白く滑らかなうなじが魅力的に映っている。
アルバンタ王国にはないような上等なドレスは、その素材からして違った。こんなドレスに身を包んだのは、二度目だ。一度目はあの夜。ルイが用意してくれたに違いないが、胸が高鳴る思いがしていた。
「これなら見分けがつくわね」
顔は同じであってもこうも違っては見分けはつきやすいはずだ。二人はそう笑った。

そんな二人に、ノックする音が聞こえた。
「入ってもかまわないか?」
この声はルイだ。
そっとドアノブに手をかけ引くヴァレリー。その瞬間、ルイの視界にヴァレリーが映った。
「ルイ?」
ヴァレリーは首をかしげながら、その目の前で手を振ってみる。ルイはハッと気づいたように、口を開いた。
「あぁ、悪い」
そう言ったルイはいつものルイだった。
部屋の中に入ると、テレジアの姿を目にした。テレジアはドレスの端をつまむと、ふわりとドレスを揺らしてルイにその姿を見せる。
「よく、似合ってるよ」
ルイは、優しくテレジアに微笑んだ。

部屋でほんの軽く談笑を済ませると、飾られてある時計に視線をやった。
「一時間後に、二人ともホールに来てくれ」
ルイはそういい残すと、部屋を出て行った。
ホールと言えば、ヴァレリーにとってはあまりいい思いでがあるとはいえない。

「ルイ王子が居ないと寂しい?」
ふいにテレジアの口から出た言葉にヴァレリーは分かりやすく動揺する。
「なっ、違うわよそんなのっ・・・・・・テレジアったら」
ヴァレリーの淡く染まる頬を見てはテレジアは笑う。
「テレジアこそ・・・・・・ミゲルとはどうなの?」
ヴァレリーの淡い色が、テレジアに映るように、頬は色ずく。
「私は・・・・・・」
思わず飛び出そうになる言葉。気持ちはもう堪えきれない所まで来ている。
それでも、なかなか簡単には口に出来ない思いだからこそ、こんなにも苦しいのだから。

「ミゲル」
王室の長い廊下を渡り、自分の部屋に入ってきたミゲルを待っていたのはルイの言葉だった。
まさか部屋に来ているとは知らずに、一瞬驚いた表情をさせたミゲルは額に汗をかいている。よほど急いできたのかは見て分かった。
「驚かすなよ」
言いながら、ミゲルは、着替えの服をベットの上に放りなげた。
「片はついたのか?」
真剣なルイの言葉にミゲルは手をとめた。
「ああ、ついたよ」
初めの経緯はどうであれ、テレジアをさらったあの輩。あの時はテレジアの救出に精一杯だったけれど、ミゲルの率いる隊はしっかりと彼らを捕らえていた。
片がついたと言ったミゲルの表情は、テレジアやヴァレリーに見せるあの優しく穏やかな表情とは全く違っていた。
ルイは、ヴァレリー達が知りえないミゲルの表情を知っている。それはこの国の騎士としての彼の瞳だった。
いつもの様な適当で遊んでいるような感情は一切ない。非道ともいえる瞳。
「そうか」
ルイはミゲルに絶大の信頼を置いている。そのミゲルが犯人を捕らえたと言った。ならばルイが言う事は何もなかった。

ヴァレリーの部屋に居たときのように、壁にかけられた時計を見るなり、口を開いた。
「一時間後に、ホールだ。遅れるなよ」
その言葉に返答するように手をあげると、ミゲルはバスルームにと消えていった。

部屋から出たルイは、すぐにヴァレリーを見つけた。
ヴァレリーの方は、ルイを探していたのかその顔を見ると安堵の表情を見せた。
「どうかしたのか?」
「えっ、ううん、別に用ってわけじゃないんだけど」
ヴァレリーは、言いかけた言葉を出そうか出さないかと迷っているようだったけれど、しばらくして、ゆっくりと口を開いた。
「あのね・・・・・・」
それは、テレジアがこの城に帰ってきてから、ずっと気になっていたこと。ヴァレリーもまた、テレジアをさらった者達のその後を気にしていたのだった。

一人残されたテレジアは部屋の中で椅子に腰かけていた。使用人達や、ヴァレリーがいなくなっただけで、シンと音がなくなった。それは広い部屋だからこそ余計に感じる。ここはあの小屋と違う。景色も、家具も。なのに一人になると、胸の中に広がっていく恐怖があっという間に大きくなってしまう。何度震えたか、何度絶望を感じたかは分からないあの瞬間に、引き戻されそうに……。

「テレジア様」
ドアの向こう側から聞こえてくる声に、テレジアは椅子から立ち上がった。
「ミゲル様?」
問いかけてはみるけれど、この声が誰のものかどうかは分かっている。
ヴァレリーがドアノブに手をかけたようにそっとテレジアはそのドアをあけた。
そこにはシャワーからまだ出てまもないままのミゲルが立っていた。
ミゲルの服には、ポタポタと拭ききれていない雫が肩にと落ちている。
「どうしたんですか?」
こんなにも急いで、何かあったのだろうか?そうテレジアはミゲルの表情を伺う。
「いえ、ただ・・・・・・」
ミゲルは言葉をゆっくりと出しながらも、そっとテレジアの頬に手をふれさせた。
「ただ貴方がおびえている気がして・・・・・・」
ミゲルの言葉が終えるか終えないか、テレジアの髪がふわりと揺れた。

「テレジア様」
どうしてここに来てしまったのか。ルイと分かれてシャワーを浴びていた。服を着替えていると、なぜかテレジアの声が聞こえたきがした。何を言っているとか、そんなんじゃない。しいて言うなら、あの時のヴァレリーのように、胸に不安が流れ込んできた。
そう思った時には足が動いていた。

ミゲルの腰に巻かれた手は、ぎゅっと離そうとしないまま、その瞳を閉じている。
抱きしめているミゲルから、温かい体温が包み込んでくる。さっきまで胸の中に広がっていた恐怖が、落ちていく感覚が分かる。
なぜだろう。どうしてこの人は、分かってしまったのだろう。
ヴァレリーにさえ分からなかった。分からないようにしていた。知ったらきっと心配させてしまうから。

半信半疑、無我夢中でここに来たけれど、それは間違いではなかった。

抱きしめてくるその体を、ぎゅっとミゲルは抱きしめる。
もう何度こうして触れただろう。飽きることなく、触れるたび、恋しさは募っていく。
強く抱きしめたい。でも抱きしめて折れてしまうのが恐い。

もう喉まで出掛かっている言葉。

許されない、でも止められない。
だから、だから責めて触れることを許してと、そっと口を重ねた。

・・・To Be Continued・・・・・



































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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Sat,  27 2016 12:28
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