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革命◇シンデレラ

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素材4

約束のキス
↓↓↓ 夜になって、ヴァレリーが帰ってきた頃、テレジアは一人部屋の中にいた。
会いたくないと思っていたルーシーの知らなかった部分に触れたテレジアは複雑な気持ちだった。人々が皆、良心者ばかりではない事くらい分かるけれど、あんな風に、人の人生を左右させる言葉が簡単にでる事が信じられないと言う思いと同時に、彼女がミゲルと繋がっていた事をありありと知らされてしまった。
胸元に光るダイヤを見たときに、自分の中のジェラシーが大きくなったのが分かった。
ただ自慢したかっただけなのか、牽制をされてしまったのかは分からない。
考えたくないのに、自分の意思とはうらはらに考えてしまう事にため息ばかりがでてしまう。

すると、部屋をノックした音がテレジアに聞こえた。
(ヴァレリーが帰ってきたのかしら)
椅子から立ち上がると、そのドアを開けた。

「――ミゲル様」
まったく心の準備が全然出来てなかった。
目の前に立っているミゲルをみたテレジアは、思考が一瞬とまってしまった。
「今日は、申し訳ありませんでした」
昼間の事を言っているのか、ミゲルはテレジアに頭をさげた。
「いえ、私の方こそでしゃばった真似をしてしまってごめんなさい」
あの時は無我夢中でやったことだったけれど、もしかしたら、もっと柔軟に事を済ますことが出来たかもしれない。
そんな話をしている二人の間に、気まずい空気が漂った。


「――少し、かまいませんか?」
ミゲルがこの部屋をノックしたのは、今日の事だけじゃなかった。
テレジアはミゲルの言葉に、静かに頷いた。

ミゲルとルーシーの間に、なんらかしらのつながりがある事は分かる。
けれどそれを口にしていいのか分からないし、口にする勇気はない。
「テレジア様」
二人きりになった部屋で、ミゲルが名前を呼ぶ。ただそれだけの事なのに、全身の毛が反応をした気がした。
もし、今ミゲルに指先ひとつでも触れられてしまったら、きっと感情が零れてしまう。

ミゲルの前に立つテレジアは、今にも泣いてしまいそうだった。
その頬に触れてしまいたい、触れてこの腕の中に抱きしめてしまいたい。
そう思うのに、拒まれたあの時を思い出して、躊躇してしまう。テレジアに触れていいのか、分からなくなってしまった。

いっそ、聞いてしまおうか。ルーシーとの関係を、聞いてしまいたい。
けれど、どんな言葉が帰ってくるだろう。彼女の胸にあったダイアのように、今もまだ二人の中にある気持ちが繋がっているとその口から聞いてしまったら?

沈黙する二人の間に、部屋をノックするヴァレリーの声が聞こえた。

何もしらないヴァレリーが部屋の中に顔を出すと、その雰囲気に気づいたようだった。
「あ……ごめん」
「ううん、いいのよ」
テレジアは、ミゲルの視線から逃げるようにヴァレリーの元にと足を向けた。

「ミゲル、大丈夫?」
部屋の中に残されているミゲルも心配なヴァレリー。
二人の事を詮索してはいけないと思うと反面、どうしても心配で仕方がなくなる。
「ああ」
普段どおりの態度で、ミゲルは、テレジアの部屋を出て行く。
ミゲルの足が、部屋から遠くなっていくと、テレジアはホッと息をついた。

二人の間の空気が、どんどんと危うくなっている気がする。
テレジアが話したくなるまで待とうと思っていたけれど、意を決したように、ヴァレリーは口にした。

「ねえ、テレジア。話してくれない?」

テレジアは、まっすぐに見つめてくるヴァレリーの瞳を、じっと見つめた。

テレジアのベットに二人して座ると、ゆっくりとその口は開いていった。

パーティの夜、キスをした事、ほんの少しだけど思いは通じ合っていると思ってしまったこと。
けれどルーシーが現れたこと、今日のお茶の席の事。
アルバンタ王国が大好きなはずなのに、自分のちから不足で国が大変な事、それを皆が噂している事。

自分の感情が制御できなくて、胸の中は醜い嫉妬心でいっぱいになる自分が嫌いになってしまいそうだと言う事……。
ヴァレリーに話して安心したのか、テレジアの頬にはこらえていた涙が零れた。

「馬鹿ね」
ヴァレリーはそっと、テレジアを抱きしめた。
もっと早くに、問いただせばよかったと後悔した。胸の中で一人で抱え込んでいたのは知っていたのだから。
テレジアの柔らかい髪をそっと撫でる。

気づいてはいたけれど、ミゲルとテレジアは思いあっている。
でもルーシーが出てきたことで、少しずつすれ違いが出来てしまったのだ。
どう見たって、ミゲルはテレジアに好きなはずだけど、ルーシーの事をはっきりとさせないと先に進めないのも事実だった。

国の事が噂になっているのは、ヴァレリーも当に知っていたけれど、それでも気丈に振舞うことが出来るのは、ルイを信じているからだ。
いつもなら、ルイがいてくれるけれど、今ここに彼はいない。




(だったら、私がなんとかしなくちゃ)

世界でたった二人だけの姉妹。いつだって助けてもらっているテレジアが、声にだして辛いという。
助けないわけがない。

(まずは、ルーシーよね……)
タイミングが合わなくて、ルーシーと会った事がないけれど、テレジアがこうなるくらいだから、きっと一癖もふた癖もあるにちがいないのは分かっている。
使用人を平然とクビにすると聞いて、初めてこの城に来た時を思い出した。
王女達にあやうく自分もクビになる所をルイに助けられたけれど、きっとそういった類の人なのだろうと。

「テレジア、大丈夫。私がなんとかしてあげる」

テレジアが口に出せない思いを、ミゲルに全部言ってしまうのは恋愛のルール違反になるけれど、少しくらいなら大丈夫なはずだ。
ヴァレリーは、テレジアに、安心して欲しいとおでこにキスをした。


……To Be Continued…

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Category: 革命◇シンデレラ
Published on: Sun,  08 2017 15:29
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