リアルタイム: 革命◇シンデレラ - スポンサー広告革命◇シンデレラ

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革命◇シンデレラ

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あの時のヴァレリー

↓↓
アルバンタ王国で起こっているであろう出来事なんて知る由もないヴァレリーは、遠く空に輝く星を見ていた。

(ルイが城を留守にして、何日経ったかしら……)
それはとても長いような気もするし、まだまったく経っていないような気もする。
ルイが居ない間、城の中でも色んな事があった。
初めてあったルーシーの事や、うまく進まないテレジアとミゲルの事。ささいな事のような気もするけれど、きっとルイに話していると、終わらないような気もする。
胸の中にある気持ちは、いつだって自覚している。

「会いたい」
そういえば、今にも後ろで声がしそうだ。
からかうような声色で、それでいて優しい。
居ないと分かっているけれど、期待をこめたようなそぶりを見せながら、ヴァレリーは振り向いてみる。
決してルイがいなくて、何かが変わるわけではない。当たり前に日常は過ぎていくし、テレジアもいて、ミゲルだっている。
ルイを信じているからこそ、国の事だって、温かい気持ちで考える事ができる。

でも、理屈じゃない。
テレジアが側にいても、ミゲルが温かく迎えてくれても、ルイがいないと駄目なんだと、思いしらされる。

けっして早く帰ってきて欲しいなんて言葉は言えない。
なのに、胸の中の気持ちは膨らむばかりだった。

よく朝、ヴァレリーが目覚めると、そこにはいつもと変わらない朝があった。
運ばれてきた紅茶に舌を包ませると、テレジアからの報告を聞いてしまい、ヴァレリーは思わず、テレジアに抱きついてしまった。
「テレジアったら!」
耳元と頬をそめて告白したテレジアの言葉は、昨日にまつわる出来事の事の始まりだった。

分からなくなってしまった自分の感情についていけなくなり、黙って国に帰ろうとしたこと。
でもそれは、自分を見つめなおす時間が欲しかった事。
そんな時、ミゲルが追いかけてきた事。はじめは信じられなくて、目に映る光景を信じられなかったこと……。

ヴァレリーはテレジアをぎゅっと抱きしめる。

「良かった――」
なんとかしてあげたいと思っていたけれど、ちゃんとミゲルの思いも、テレジアの思いも届いたんだ。
「心配させて、ごめんね」
テレジアが、そう謝るとヴァレリーはいいんだといわんばかりに首を振った。
この世でたった一人の姉妹。
「貴方が幸せな事が、私の幸せなのよ」

その日、ヴァレリーは久しぶりに、テレジアと外出をした。

街なみに並ぶ店の中で、まず二人が入ったのは、アクセサリーショップ。
狭いながらも、店内には種類多くのアクセサリーが並んである。

色んなものを手にとってみて、物のひとつをヴァレリーは手にとった。
「これどうかしら?」
手のなかにあるブレスレットをみたテレジアも気にいったようだ。
「可愛い」
「おそろいでどう?」
ヴァレリーは色違いを手にとってつけてみる。
テレジアもつけると、二人の手を見比べた。
二人の細く白いてに、それはとても似合っていた。
ヴァレリーの言葉に、テレジアは頷くと、二人で店員に声をかけた。

アクセサリーショップを出た二人は、ヴァレリーの提案で、とある店にやってきた。

狭い店内にヴァレリーが顔を出すと、店主はにっこりと笑った。
「いらっしゃい」
店主は、ヴァレリーの顔を覚えているようだった。
そしてそのすぐ後のテレジアの姿を見ると、驚いたように口を開いた。
「おやまあ、双子だったのかい」

二人は席につくと、あの時ルイに食べさせてもらった、【鳥の卵丼】を注文した。
「はいよ、おまちどうさん」
店主は、丼ぶりふたつと一緒に、スプーンを持ってきてくれた。
「ありがとう」
小さな心づかいを、覚えてくれていた事が、ヴァレリーは嬉しかった。
ヴァレリーは店主にお礼を言うと、さっそくテレジアに勧めた。
「これね、凄く美味しいのよ」
なんらおかしくないただの丼だが、あの時のヴァレリーの様に、テレジアには初体験だった。

テレジアは、ゆっくりとスプーンを手にとると、ヴァレリーの方を見真似しながら、上品な手つきで、手前から丼をすくった。
白いご飯の上に、トロリとした半熟の卵が野菜と鶏肉を優しくつつんである。
「熱いから、気をつけてね」
ヴァレリーの言葉に、テレジアはゆっくりと頷くと、小さな口にそっとほうばった。
静かに噛んでいるテレジアからは優しい笑みがこぼれている。

「美味しい――、とても美味しいです」

あの時のヴァレリーの様に、テレジアはこのただの鳥の卵丼に感動していた。
「私、ずっとあなたをこの場所に連れてきたかったのよ」
あの時、これを食べると涙が流れた。食べると、テレジアの顔や、アルバンタ王国の事を思い出した。
今、テレジアはこの丼を食べて、温かい笑顔で食べていた。その顔を見るだけで、ヴァレリーは幸せな気持ちになることができた。

久しぶりの外出に堪能した二人が城に戻ってきたのは、夕方。

二人の手の中には、ミゲルとルイにと渡すはずの手土産もあった。

「じゃあテレジア。ちゃんとミゲルに渡さなきゃ駄目よ」
「分かったわ、ヴァレリーも、ちゃんと休んでね」
「うん」

テレジアは、ミゲルにちゃんと渡すに違いない。そう思うと嬉しいヴァレリー。

(ルイはいつ帰ってくるかしら)
ルイへのプレゼントを手の中で、そっと握る。
喜ぶ顔を想像するだけで嬉しかった。

「ヴァレリー様」
呼ばれるがまま振り向くと、そこにはバモフトが居た。
「なに?」
そのバモフトの顔をみると、ヴァレリーの視線は、真剣になった。
「どうかしたの?」
バモフトの顔は、あきらかに動揺をあらわしていた。


……To Be Continued……

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  •   13, 2017 21:55
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