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素材8

巡る縁


↓↓
翌朝、心奈は信じられないものを目にする事になる。
(ど、どうしてこの人が……)
周りを見渡しても、ここは自分の部屋で間違いはない。いつも寝ているベットに布団、なのにあきらかに場違いな人が隣で寝ている。
心奈は混乱しながらも昨日の事をゆっくりと思い出してみる。
(そうだ……確か真帆さんに)
酔っぱらっていた真帆から受け取ったのはアルコールだった。断れなくて、承知で飲む羽目になった事を思い出した。
(えっと、それからどうしたんだっけ……)
頭が痛くなる思いで、思い返してみるけれどハッキリとは思い出せない。ただ頭の片隅で、何度も迅が自分の名前を呼んでいた気がする。でも思い出せるのはそこまでだった。分かっているのは迅と二人きりで、しかもベットの上で寝ている事。
迅が好んでここに寝るわけがないとすれば、もうそれは自分が何かやらかした以外に考えられなかった。
(ど、どうしよう)
迅が寝ている横で、逃げ出したい衝動に駆られるけれど、ここは自分の家であって逃げ場はない。
すると、そんな心奈の気配に気づいたのか、横で寝ていた迅が目を覚ました。ハッとした心奈は、とりあえず謝る事にした。
「ごごごごめんなさいっ‼」
「あんた、覚えてんのか」
覚えていると言っても、覚えていないと言っても、どちらにせよこのピンチを脱却することは難しいということはわかる。
「お、覚えてないです」
だから心奈の口は正直に答えた。その言葉は、消え入る様にに小さかった。
きっと神は呆れているに違いない。そんなこと顔をあげなくてもわかった。
一体自分はどんな失態をしてしまったのだろう。気になりすぎるのに、 まさか自分の醜態を迅の口からださせるほど丈夫な心臓を持ち合わせていない。
どうしようかと思いながらも、心奈は二度とお酒を飲むまいと心に誓っていた。

そんな乃亜の様子を見下ろす迅だけれど、どうしてか少し前の自分の様にイライラする感情は胸の中に浮かび上がらなかった。
迅の口からため息が漏れた。それを感じた乃亜はやってしまった感で、瞳をぎゅっと閉じた。するとベットから立ち上がった。
「二度と酒は飲むな」
「ごめんなさい」
迅の言葉を飲み込む心奈は、明らかに落ち込んでいた。
確かに、心奈に対して呆れた感はあったのは確かだった。けれど、酔っぱらった心奈の豹変ぶりや、行動に危うさを感じる感情の方が大きかった。もし、昨日自分が見つける事がなければ、どうなっていたかなんて明らかだった。
反省している心奈をこれ以上問い詰めたところで仕方ないと思ったのか、迅は身支度をした。
「とりあえず、俺は帰るぞ」
「あ、はいっ」
玄関に向かう迅の後を追いかける心奈。
靴を履いて、出ていく迅を見送ると、心奈はもう一度頭を下げた。
「本当に、すいませんでした」
すると、もういいとでも言うように、迅は手をひらひらとさせて帰っていった。

タクシーを捕まえて乗り込んだ迅は、おもむろにタバコに火をつけた。
長い息をはいたあと、窓の外を眺める。どうしてかこうも、接点が途切れないものだと不思議な感覚を覚えた。勿論、心奈の泣きの件があったあと、目の前から消えるはずだった心奈の事を引き留めたのは、誰でもなく自分だ。
自分自身の行動に不思議さを覚えたけれど、どうしてか切れる事のないような縁を感じてしまう。
それは昨夜、眠っているはずの心奈の手を振りほどけなかった自分の行動を正当化しているようにも見えた。


その頃部屋に残された心奈は、まだおぼつかない記憶の中で、そういえば真帆に言われた事を思い出していた。
(そういえば、真帆さんが一時にどうとかって……)
思い出した内容には、迅の名前があった事を思い出すと、真帆に貰ったメモ用紙を広げた。そこには、場所と食材が書かれている。
「一緒に行けって……事?」
昨日の今日で、また一緒に行動を共にしなければいけない。しかも迅が帰ったのはついさっきの事だ。それを考えると早くも頭が痛くなる思いがした。

昨夜そのまま寝てしまった心奈は、シャワーを浴びたあと、真帆の言いつけ通りにメモに書いてある場所にと来ていた。真帆がいうには、この場所に迅も来るという話方をしていたけれど、本当に来るかは半信半疑な心奈。それもそのはず、昨夜の失態の規模を自分は知らないまま、今も時間が流れている。

呆れていた迅が、この場をすっぽかす可能性の方が、確率的に考えるとずっと高い気がしてならない。

そんな事を思っていると、向こうの方からこちら側に向かって歩いてい来る人影が見えた。それはどんどんと違づいてきて、心奈の確認できる距離まできていた。
(――来た)
本当に来るのかと思っていたけれど、迅はちゃんと約束の時間、この場所に来た。
「てっきり忘れてると思ってたが、覚えてたのか」
心奈がそう思っていた様に、迅の方も心奈がこの場所に来るのかと思っていたようだった。昨夜の醜態を考えれば、おそらく来ていないだろうと思っていたようで、迅の方も少なからず驚いているようだった。
「あ、あの……」
買い物のリストを見る限り、おそらく店の買い出しだろうと想像できた。
「お前の携帯見せろ」
「えっ?」
いきなりの迅の言葉戸惑う心奈は、どうしてだと迅の方を見上げた。
「また目を離した隙に、問題を抱えてこられると面倒だから」
迅の言葉が的を得すぎて、心奈はぐうの音も出なかった。別にぜんぜん嫌じゃない、むしろ携帯を握っている手は緊張しているようにも見えた。その手を迅の方へと差し出すと、迅は自分の電話番号を心奈の電話に打ち込み、それを鳴らした。
早い手つきで、さっさと登録をすますと、心奈に携帯をかえした。
「行くぞ」
「は、はいっ」
迅の後についていくと、大型の食料品店の中にと入った。
通常のスーパーとは違って、業務用品が多く置かれているその店は、初めてくる心奈からするととても広く感じられた。カートの中に手にとった物を迅は次々に入れていく。それは日頃スーパーで買っているものより、大きいものばかりで、ほとんど目にしたことがない心奈からすれば新鮮で驚くものばかりだった。

真帆がここに来いと言ったのは、徐々に覚えろと言う意味合いが含まれていたんだろうと、その思いを汲むように心奈は真剣にカートの中を見ていた。
けれどひとつひとつの大きさが大きく、普段の買い物の何倍もの量に圧倒されてしまう。
「あのな、別にお前ひとりで抱えるわけじゃねえからな」
思考を読み取ったのか、迅は心奈にそう言った。
それを聞くと心奈は安心したように、会計をすました商品を袋につめた。そうとはいえ、目の前には重たい荷物がいくつもならんだ。それを迅は手にとると、一番軽い荷物を心奈の前に渡した。
「ほら、お前も持てよ」
「え、これだけですか?」
迅の両手には、指がはちきれそうな荷物がいくつもぶら下がっている。せめてどれかを持とうとするも、迅はあっさりと拒否した。
心奈の手の中には卵パックがある。
「落とすなよ」
「わ、分かりました」
心奈は迅が乗ってきた車まで荷物を運ぶと、真帆からの任務を達成したと、ほっと息をついた。
これで自分の役目は終わりだと思っていたけれど、そんな心奈を呼び止めた。
「お前、この後予定あんの?」
思ってもみなかった迅からの台詞に乃亜は驚いてしまう。
「と、とくに予定はないです」
「じゃあ、乗れよ」
迅の言葉にNOと言えなかった乃亜は、戸惑いつつも、その車に乗り込んだ。



よろしければ、応援お願いいたします ^^
とても、はげみになります☆


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Category: 先輩には、ご注意 !!
Published on: Fri,  03 2018 12:46
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