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ハッピーエンドの法則 act 3

読者の皆様
いつも読んでくださってありがとうございます☆

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「ママ~っ、 ママ~っ」
まるで召使を呼ぶかの様に、乃亜は母親を呼ぶ。
決して、だらだらしている訳ではなかった。ただ単に、動けなかっただけだった。
パタパタとスリッパの音をさせながら現れた乃亜の母親の綾子は、ソファの上でくったりとなっている乃亜を見下ろした。
「あんた……真面目に病院に行った方がいいんじゃないの?」
その綾子の瞳は、乃亜に妊娠と、鉄哉との別れを告白した、あの時の瞳より、ずっと心配の色を見せていた……。

鉄哉と、あの日別れてから、一週間ほどが経った。
乃亜が母親に、鉄哉の事、妊娠の事を言ったのは、あの日のすぐ後だった。
体調が体調なだけに、もう隠せないと思ったのが決め手だった。
鉄哉と、こういう結果になってしまい、結局頼りになるのは、母親の存在だった。
反対されたら、本気で出て行くつもりだったが、自分の母親は、そんな人じゃない。そう信じていた。

そして結果、頬を一発引っ叩かれただけで、何とか落ち着いた。
正直、その頬っぺたの一発が、かなりキツかったけれど、そして、いつもだったら自分も負け時と手を出している
と思ったが、お腹の中のちっちゃな生命を大事にしたいと、堪える事が出来た。

引っ叩かれてしまえば、後はスッキリしたものだった。
一人暮らしは大変だからと、すぐに実家に引っ越してこいと言われた。
しかしこれは断った。なんだかんだ言っても、母親も今は旦那が居る身であり、邪魔をするつもりはなかった。

「全く、雄一郎さんも引っ越して来いって言ってるのに、あんたって私に似て、本当に強情だから」
乃亜の変わりに、乃亜の洗濯物を畳みながら綾子は言った。
「そりゃ、ママの娘だもの。似てるのは当然じゃない?」
ソファの上で、くったりとしながらも、くすくすと乃亜が笑うと、まったく、と綾子も笑った。

「にしても、アンタ一人が此処に居るのも、ママ心配だわ。今の時代は体重をあまり増やさない様にしてるって知ってるけど、体重がそんなに落ちてばかりじゃ、赤ちゃんに栄養もいかないでしょ? 少しは、食べれてるの?」
乃亜は、少し考えるそぶりを見せた。
が、しかし正直に話そうと思ったらしい。
「食べれてない」
「食べれてないって……」

ほんの二、三日前までは、少しは食べれていると電話で言って居たのに……。
「駄目。もう駄目。病院に行くわよ。今すぐに」
食べて居ないうえ、吐き気だけは襲ってくるので、乃亜には気力もない様で、首をふった。

「貯金、ない」
まさか妊娠するとは思ってなかったので、景気よく買い物をしていた。様は、入院費の余裕がないと言う事なんだろうと、綾子は察しがついた。
「いいわよっ。孫のために出す金なら、私も惜しくないわっ。馬鹿娘の為なら惜しいけどね!」
そう言った綾子の表情は、まだ38歳と言う事もあり、イタズラな子供っぽさがあった。
乃亜と綾子は、母親と娘と言う関係をしっかりと保ちつつも、友達の様な関係でもあった。
だから、喧嘩する時は、喧嘩っ早い綾子が手を出し、負け時と乃亜が手を出し、終始がつかなくなった頃、綾子の旦那であり、今の乃亜の父親でもある雄一郎と、琉香が止めに入るのが、いつもの形だった。

そんな綾子でも、やはり母親は母親であって、なんだかんだと憎まれ口をたたいても、乃亜の事は心配なようだった。

「けど、アンタ歩けそうもないわねぇ」
雄一郎は、今の時間は会社に行っている。琉香に電話して、支えるのを手伝ってもらおうかとも考えた。
しかし、やっぱり綾子の頭に浮かぶのは、鉄哉の事だった。数年も付き合っていたのだ。綾子にとっても、鉄哉は既に家族同様だった。
だから別れたと聞いた時も、信じられなかったし、その後、琉香から、実は鉄哉が謝って、もう一度、乃亜とやり直したいと言っていた事を聞いた時も、どことなくホッとした。

しかし強情な娘ゆえ、歯がゆい所だった。
何故なら、口ではどうこう言っても、まだ乃亜は鉄哉の事を、忘れられていない事は母親なら見れば分かった。
そうだからといって、簡単に何も無かった事には出来ない意地が、乃亜にもあるんだろうと、複雑な気持ちだった。

「雄一郎さんを呼ぼうか。仕事抜けてきてもらって」
乃亜からの返答はない。綾子は思うがすぐに携帯を取っていた。

つわりは赤ちゃんが居る証拠。だから頑張らなきゃいけない。ただ、こんなに辛いのは、正直想定外だった。
何も食べたくない。部屋の中に置いてあった香の類も、全部捨てた。
匂いがあるものは、全部敵に見えた。当然、店は休んでいる。乃亜の変わりは、琉香が探し連れてきてくれて来た様だった。

けれど、部屋の中でじっとしていると、余計な事ばかり考えてしまっていた。
あの時、鉄哉の手を、振りほどかなければ、自分が意地を張らなければ、こうして頑張るのは、一人ではなく、隣に、鉄哉が居てくれたのではないかと。
大丈夫か? 何て言って、精神的に、自分を支えてくれたのではないのかと……。

あの時、鉄哉の腕に引かれるがままに、体を預けてしまったら……。

考えながら目を瞑った。
すると、玄関から、ありえない名前が聞こえてきたのだ。それも母親の口から……。

「鉄哉――」



応援、よろしくお願い致します ^^





……To Be Continued…
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Category: ハッピーエンドの法則
Published on: Sun,  04 2013 01:45
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