リアルタイム: 先輩には、ご注意 !! act 9 - スポンサー広告先輩には、ご注意 !!

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先輩には、ご注意 !! act 9

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「あの、コーヒーですけど、どうぞ」

どしゃぶりの雨の中、思いもしなかったけれど、迅が送ると言い出した。そして、思いもしなかったけれど、車が故障した。
今、心奈の部屋に、迅はいる。
心奈がカップを差し出すと、それを迅は受け取った。
心奈の部屋は、黄と緑で統一され、落ち着いた部屋である。
日ごろからこまめに部屋の掃除もするし、洗濯やごみだしなんかも、ほとんどためたことがない。

今、その部屋のソファに、運命の巡りあわせで迅が座って、今、ホットコーヒーに口をつけている。
そしてそのソファの横に、心奈はたったまま。
「座れば?」

「……あ、はい」
一体、どちらが、この部屋主なのか分からないような会話を終えたあと、ゆっくりと、心奈は腰を下ろした。
外は雨脚が強くなるばかりで、とてもやみそうにない。でも、そのおかげか、このシンとした空気が、まぎれているような錯覚を起こす。あまり話すことを得意としない心奈が、迅を相手にしようとする事自体、もう間違っていることなんだろうけど、心奈は、なんとか、この重い空気を変えたいと思っている。

そんな風に、迅を見つめている心奈だけれど、見ればみるほど、この兄弟は似てないと思う。
性格も、口調も、何かひとつくらい似てもおかしくはないのだけれど……そんな風に思っていると、ふいに視線がかち合った。
「す、すいません」
特にあやまる理由なんてなかった。また怒られてしまうかもしれない。
心奈の体は、もうそれだけで、体がきゅっと縮こまってしまう。
そして、いつもならば、その思惑通りに、迅の冷たい言葉が、舌うちと一緒に、ひとつやみっつと、心奈へとかけられるはずだった。
「いいよ、別に」
心奈は驚いてしまう。ここ何日か迅の口から出てくる言葉の常識は、心奈にとって、もはや習慣になっている。
「あ、いえ」
でも、今、迅の態度からは、そんなもの、微塵も感じられない。
「あの……」
だからって、調子にのって、話をかけてみようかなんて、思ってない。
けれど、心奈の口から、もう言葉はでた後だった。
「さ、寒いですね」
いくら、出る言葉はないからといえど、なんて馬鹿な事をいってるんだと、心奈は激しく後悔するも、それは口が滑ったあと。思わず、目をきゅっととじた。
「あんた」
迅の言葉の後、なぜか彼の気配が近くに感じられた。ゆっくりと目を開くと、思ってたよりも全然近くに、迅がいた。
息を吸い込み、呼吸をとめた。

「熱が、あんじゃねえの?」


ピタリと、心奈のおでこに貼り付けられたのは、市販されている、熱さましのシート。
なぜ、自分は寝ていて、こんなことになっているのか、心奈はまだ把握できてない。さっきから、迅の背中をずっと、見つめている。来たこともない、この部屋で、使い勝手のわるい、この部屋で、さっきから迅は、動きまわっていた。
心奈の脇の下から、ピピピと終了をしらせる、体温計の合図が聞こえた。
それは、彼女が今、高熱であると知らせている。
迅はさっきから、この部屋で、風邪薬を探している。
けれど中々見つからないようで、ガチャガチャと荒らされる音だけが増していく。

高熱のせいで、心奈の意識はうつらうつらとしている。
最初雨に濡れたときから、さっき、迅におでこをふれられるまでの時間、心奈の体はずっと冷えたまんまだった。
熱くなっていく体温や、早くなっていく鼓動を、緊張のせいだと勘違いした結果がこの様。

けれど、心奈は、さっきから、この部屋の中から聞こえる、あわただしい音が、けっして嫌じゃなかった。
なれない手つきで、タンスをあけ、適当な服をだして着替えろといったり、今日、はじめて見せた、かなり不器用で荒っぽい優しさは、ちゃんと心奈の心へと届いていた。

きちんと整頓させていた部屋が、どんどんと荒れていく様をみながら、初めて笑って目を閉じた。



・・・・To Be Continued・・・・・
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  •   22, 2014 19:22
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