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Magic city リクトアクト act 2

読者の皆様
いつも読んでくださってありがとうございます☆

この小説は、ラブ ファンタジーです。 噂の転校生が来るという話は、スクールの間を駆け巡ったけれど、昼を過ぎても、結局現れることはなかった。

ディアナは、朝、約束した通り、ノアと、パンケーキ専門店「レインタッタ」の長蛇の列の真ん中へといた。
天(あま)を属性とする、リール教授の機嫌が悪くならないかぎりは、天気の心配もしなくていい。今、空は真っ青で、優しい風がふいている。だからディアナも、待ち時間の割には、そんなに苦にならなくてもよかった。

一通りの時間が過ぎた頃、ディアナはレインタッタの店の中へといた。
もう注文を済ませたようで、ディアナは隣の席のパンケーキに魅了されている真っ最中。レインタッタのメニューはとても豊富で、これなら、ディアナが一ヶ月毎日来ても、飽きを感じずにいられると思った。

ふと、キッチンの方へと目を向けると、卵が勝手にステンレスのボールへとタックルして、二つに割れた。
中から出てきたのは生卵。その横では、フライパンが勝手に動いている。
そのキッチンから聞こえてくるのは、鼻歌。軽やかでリズミカルに。
「声を属性とする、バーバラさんの歌はすばらしいですわ」
ディアナの隣の夫人が、うっとりするように、その鼻歌に、聞き耳をたてている。
キッチンに目をこらすと、朱色の髪色をした女性が、楽しそうに歌を口ずさんでいる姿が目に入いった。
それに合わせて動いている、泡だて器に、フライパン、卵に牛乳、それに小麦粉。

属性は色々な種類がある。良くあるのは、火属性。次に水、雷、風……。
それに比べて、特殊な属性も、この街には存在している。それのいい例が、バーバラだった。
彼女の家系は途絶えてしまって、一人娘。そして独身者。街の奥へ済んでいた彼女を、管理人の一人であるモントスが、連れてきた事は、最近じゃ有名な話のひとつ。

だから、レインタッタには、彼女と、ウエイトレスのマールしかいない。

この街には、色々な属性をもった人間がいるけれど、初めてみた属性に、この一時、パンケーキの存在を忘れ、ディアナはその勝手に動く、調理器具に見入っていた。
「ね、ディアナ!」
服をくいっと引っ張られ、やっとの事でディアナがノアの方をむいたのが、彼女が呼び出してから五回目のことだった。
ノアの指先は、ディアナのテーブルへと向けられている。目をやると、待ちわびていたパンケーキがそこにはあった。

「どうぞ」
ウエイトレスのマールは、両手をパンケーキの方へとむけ、召し上がれと頭をさげた。
さっきまで、踊るように動き回っていた、小麦粉たちが、今こうしてパンケーキとして目の前にある。
不思議なパフォーマンスをみた後のディアナにとって、それはもっと素敵なものでしかない。

ナイフとフォークをもって、そっとバターをパンケーキの上に滑らす。そこにそっと亜麻色の蜜をたらす。
色混ざるグラデーションは、一瞬でディアナを魅了してしまった。

待ちきれないように、そっとナイフをいれると、その感触が違うことに驚いた。そして、そっとそれを口に運ぶ。
「おいし~い」
ほっぺが落ちるとよく言うけれど、これはきっとこんな時に使う言葉だとディアナは思った。
そしてそれは、目の前に座っている、ノアも同じく。彼女が頼んだのは、パンケーキの生クリームのせ。
バーバラが、森でとれたと言っていた珍しい果実で作った自家製ジャムを、すこしだけのせて食べていた。

たかだかパンケーキと言えど、その中身は奥が深い。ディアナにとってパンケーキは特別なものだった。

目の前に腰掛けているノアと談笑していると、急に店の外がざわめいた事に二人はきづいた。一体何事だろう。窓越しに外をのぞくと、そこには、人だかりができていた。とてもじゃないけれど、ここからでは見えそうにない。
けれど、人々が話す、その会話だけは聞くことができた。

「ダーリン家が現れたぞ!」

その言葉通り、男がその場所に現れたのは、ほんの数分前。風景が歪んだと思えば、足が現れ、あっという間に人がでてきたと言う。時空属性のそれを持っているのは、ダーリン家の証。
現れたのは、スクールに今日、転校してくると言っていた、イアン・ダーリンだった。

人だかりのその向こうから聞こえる発狂した声の的になっているイアン。
朝の皆の口ぶりから、有名な男だとは思ってはいたが、その桁違いさに、ディアナは、立ち尽くしている。
そんなディアナの腕を引っ張ったのは、ノアだった。どうやら、初めてみるイアンに、どうしても近くで会いたいと、この渦巻く人だかりのなかに、よりによって、ディアナを引き連れて、突っ込もうとしているらしい。
冗談じゃないと、大きく首を振って、ディアナは嫌がってみせるけれど、こうなってしまったノアを、止められるのは、サーシャしかいない。

きっと、ノアは、ディアナの体質なんて、わすれてるのに、違いなかった。

もみくちゃにされながらも、人の波につっこんでは、前を目指す。
そこに、それだけの価値があるとは、どうしても思えないディアナは、ただただ苦痛でしかない。

もう駄目だと思いながらも、進まされていくディアナの視界に、人の波の間から、スラリと長い足が見えた。
目の前がパッと明るくなったかと思えば、そこには、警備員。最前列にきたディアナの手をつかんでいたノアはいつの間にか、いないかった。
思った時には、ディアナの体は警備員の横を通り抜けた。体制が崩れたままのディアナはいきおいが止まらず、そのまま、砂利道へと、体をおいやられてしまう。

(助けて……っ)
目の前に近づいていくる光景の速度にディアナは恐怖を感じながら、顔面が擦り剥けてしまう結末が見えてしまった。
けれど、ディアナに感じた感触は異なるものだった。硬い砂利道なんかじゃなく、この感触はまるで……。
(マシュマロ?)
何も分からないディアナが、そう感じてしまうほどにその感触は、ディアナの全身を柔らかく包み込んでいた。
ディアナの下にあったのは、マシュマロではなく、白くふわふわとした雲。よく意味を把握していないディアナの視界に、差し出された掌が見えた。
華奢なノアの手じゃない。ディアナはこの手に見覚えがなかった。
その手を、ゆっくりとつかむと、勢いよく、引きあがられた。立ち上がった時には、ふわふわと体を支えていた雲は消えた。
そして、その眼にうつった男を見たディアナは、思わず息を飲み込んだのだった。


……To Be Continued…
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Category: Magic city リクトアクト
Published on: Thu,  28 2014 01:49
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