リアルタイム: 先輩には、ご注意 !! act 11 - スポンサー広告先輩には、ご注意 !!

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先輩には、ご注意 !! act 11

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迅の兄である翔から電話がかかってきたのは、その日の夕方近くだった。

心奈は、今、地下鉄をおり、自宅からも店からも離れた繁華街にきていた。

昨日のお詫びと、遅れながらの心奈の歓迎会。
少し場所が遠いからと、迎えにいくと言われたけれど、心奈は断り、自分の足で、歩いていた。
別に賑やかな街が珍しいわけではないけれど、初めての場所に、心奈の足は、どうやら現在地を把握できてないようであり、キョロキョロと周りを見回している。

片手には携帯電話があって、さっきから、それを使おうか使うまいかと迷っている。

そのせいで、心奈の視界は、見えているつもりで、そうでないようだった。

「あっ、ごめんなさい」
もう何度目だろうか、ぶつかってしまった相手に、心奈は頭をさげる。
そうして、すぐに背中をみせるはずだったけれど、その手は、しっかりと掴まれていた。
「ね、何処いくの?」
心奈の手を掴んでいたのは一人の男だった。だけど、今の心奈にとって、一言も、ふたことも話す時間が、手間で仕方ない。
「あ、あの、ごめんなさい、私・・・・・・」
言葉こそひかえめだけれど、その手は、激しく離してほしいと言っていた。
けれど、その手は離れるどころか、少し周りを見渡すと、どうやら声をかけてきたのは一人じゃない様子。
「あの・・・・・・」
声は、さっきよりも、だいぶ弱く感じられた。
引こうとする、その手のちからも、さっきよりもずっと儚く。

煩わしいと思っていた感情は、いつの間にか心奈の中で恐怖にかわっていた。
一歩ふみだす勇気は粉々に砕かれていた。
怖くて逃げ出したいと思う、心奈の目はきゅっと、つむられた。けれど次の瞬間、強く掴まれていた手の力が緩んだのを感じ、そっと目を開けた。
あっと、思ったけれど、声は出ず。でもその目は驚きに駆られていた。

さっきまで、心奈をつかんでいた手は、迅によって、ねじられている。それも意図も簡単に。
「こいつに、何の用?」
鋭く向けられた視線は、心奈を通り越して、男を見回していた。
「あ、あの・・・・・・」
多勢に無勢、なんて言葉が心奈の頭の中に浮かびあがったけれど、さっきまで震えていた体や口が、そうそうと動かないのも無理はなかった。
さっきまで、離してほしくてたまらなかった男の手が、迅の片手によって悲鳴をあげていた。
ほんのわずかな時間のあと、迅の手から離れた手首は、赤くジンジンと痛みを放ちながら、背中を見せた。

あっというまの出来事に、心奈は放心状態。
「ほら、行くぜ」
まるでついて来いとでも言うように、迅は歩いていく。
「あ、はい」
狭い人ごみの中、先にと進んでいく迅の姿を離れないように、遅れないようにと、その背中を追いかけた。


ここら辺では、一番の店と噂の、居酒屋「華月」。
ガラガラと古風な戸を、迅と二人してあけると、そこには、もう皆集まっていて、すでに場ははじまっているようだった。
「春瀬さん」
一番奥の席から、心奈の姿を確認するや否や、その手をあげたのは、翔。
今になって、頭上にある時計を確認すると、どうやら、自分は遅刻をしてしまったと気づいてしまう。
頭を下げながらも、心奈は翔の席の隣へと腰を下ろした。
その反対の席には、迅が腰を下ろした。真向かいの席には、同じ従業員である高瀬と真帆がすでに座っていた。

電話をもらった時も思ったけれど、心奈にとって、まだまだこの場はなれない場所であって、隣の席から翔が、肩の力をぬいてと何度いっても、心菜の背筋は、ピンと張り詰めたままだった。

そんな心奈の様子を見ていた真帆は、くすくすと笑う。
「そんなに怖がらなくても大丈夫よ」
そうは言われても、心奈の性格上、今日この場に姿を見せることができただけで、もう合格点をあげたい気持ちだった。
真帆は、心奈を反対にしたようなサバサバとした性格な持ち主であり、最初こそ心奈への風当たりが強かったけれど、いまはそんな雰囲気など微塵はなく、黙っている心奈に、翔と二人して話をかける。

その隣では、迅と、同い年である高瀬が話をしている。

別にきになるわけじゃないけれど、目の前にいる迅は、心奈の中にいる迅とは、全く異なって見える。
初めてあった頃の様に、怖いという感情はあまりないけれど、まだまだ心菜にとって、絡みづらい相手には、間違いない。
なのに、高瀬と会話する迅の姿は、あまりにも自然だった。

「ね?聞いてる?」
「あっ、はい、聞いてます」
ほとんど会話が頭の中に入ってなかったけれど、咄嗟に、場を合わした心奈の口は、真帆の言葉にイエスといった。

そんな心奈の手の中にあったのは、一枚のメモ。
一体いつの間に握らされていたのかも分からない心奈。
「じゃ、明日に一時に、お願いね」
もう、何がなんだか分からない。わかっているのは、一枚の中に書き出された食材と、場所。
「大丈夫、ちゃんと迅には言ってあるから」
真帆の言葉に、心奈は、いよいよわからなくなっては、すぐ隣にいる迅へと視線をむけるが、高瀬との会話の中に入っていく勇気なんて持ってない。けれど、真帆に、もう一度聞きてみる勇気も持っていなかった。


心奈が来てから三十分程なく、テーブルの上には、アルコールドリンクと皿が埋まってしまった。
箸をもったまま、何も口にしない心奈の皿の上には、さっきから、おせっかいな二人のおかげで、なにやらあふれかえっている。

特に、目の前の真帆は、なかなかの酒好きであるということが、ここわずかの間に発覚した。
あれよあれよという間に、カクテルのグラスがからっぽになり、店員を呼びつける。
彼女のカクテル好きは、このメンバーの中では有名であり、またその話は、聞き飽きたものだった。

今日、この華月を選んだひとつの理由の中には、カクテルの種類が豊富だからという、真帆のひと押しも入っていた。

時間も進み、いつの間にやら、心奈の側にいた翔は、迅や高瀬達と席を一緒にしている。
「真帆さん、あの、大丈夫ですか?」
だいぶ酔っているんじゃないかと心配する心奈だけれど、真帆自身いわく、これからが本領発揮といったところらしい。

「はい、心奈ちゃんも、これ飲んで」
真帆は、自分のグラスを持ち、心奈のグラスを持たせ、一緒に乾杯を仕向けた。
これを断れることもできず、心奈は口にする。

(あれ? これ・・・・・・)
なんとなく、心奈の口に違和感が広がったのがわかった。
確か自分はノンアルコールドリンクだったはず。思いながらも、真帆にある物と、手のひらにある物を見比べては納得がいった。
「はい、かんぱーい」
同じ色したすり替わったドリンクを、真帆が気づくはずがない事は、この状態を見ればわかる。
けれど、それを元にもどそうとするれば、真帆は駄々をこねはじめた。
ちらりと、向こう側を見てみれば、どうやら何も気づいてない様子。
「あの、真帆さん・・・・・・」
「はい、かんぱーい」
もう、真帆に何を、言っても無駄なようであり、彼女の口からは、乾杯の文字と、グラスの音だけが、リアルだった。



本人曰く、酒が強いと自負しているが、彼女が酒に弱いのもまた、知ってのことであり、真帆はといえば、高瀬につれられて、一足先に、帰ったようだった。
翔はといえば、会計を済ませ、さすがに、こんな時間に心奈を一人で帰す気もなく、華月の戸をガラガラとあけると、そこで待っているであろう、心奈の名前を呼んだ。

ちゃんと、送っていくと言ったはず。だから表で待って欲しいと。

「春瀬さん?」

けれど、何度呼んだところで、心奈の姿はそこにはなかった。


・・・・To Be Continued・・・・・

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  •   15, 2015 13:05
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