リアルタイム: 先輩には、ご注意 !! act 12 - スポンサー広告先輩には、ご注意 !!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  •   --, -- --:--

先輩には、ご注意 !! act 12

二度目の誤解

↓↓↓


普段からアルコールを避けているつもりは特になかったけれど、少なくとも酔った自分というものに心奈は直面したことはなかった。まるで悪意があるのかとでも言うように、心奈の体は人間に体当たりをしている。
ただ、謝る事ができたのは、心奈の人間性のカケラだと思う。

「おねえチャン? どうしたの」
何度目か心奈の体当たりに出くわしたのは男。よろよろとして、今にも倒れそうだから、そんな理由はいくらでもつく今の心奈の体を支えている。
「あ! ハイ! 酔っ払っています」
平常心を取り戻した心奈がこれを見たら、側頭してしまいそうだ。馬鹿正直に答える心奈の状態をみて、男が何を思ったは安易に想像できた。
そのくらいに心奈のテンションはあがっているようだった。
「じゃあ、今からどっか遊びにでも行っちゃう?」
「はい! 行っちゃいま……」
レッツゴーと出した心奈の手は、出し切ることなくとめられている。
もう落ちたも同然だと思っていただろう男は、後ろに現れた迅の姿をみるなり、場がわるくなったように逃げていく。
逃げ去った男の背中を首をかしげながらも見て、心奈は首をかしげる。
けれど、後ろにいる迅の姿を目にすると、今度は反対側に首をかしげた。

「はれ? あなたは迅さんですね?」
あれほど恐れさけていた男に、心奈は今、指を差し向けている。
少なくとも店にいた時はこんな醜態ではなかったはず。けれど真帆の面倒をずっと見ていた心奈が、何かの間違いでこうなってしまっても何らおかしくない。
姿が見えなくなって、まさかと思いながらもなぜか、この場所に足がむかっていた迅だけれど、はやくも面倒という文字が頭の中に浮かんでいた。
「おい、帰るぜ」
迅の手は、心奈が逃げてしまわないようにと、その腕を掴んでいる。
「はあい」
すると心奈は、きゅっと身をよせ、迅の腕へとしがみついた。
酒で意識が飛ぶというのは聞いた事があるけれど、心奈のぶっ飛びように、迅は呆気にとられている。


こんな調子の心奈を電車で連れて帰ることなど出来ず、迅はすぐにタクシーをひらうと、心奈と二人乗り込んだ。
タクシーの運転手は、迅の腕を握り締め、ピタリとよりそう心奈と迅の関係を、そうそうに誤解する。
「なんだい、仲がいいねえ、羨ましいよ」

二人のことを誤解されるのはこれが初めてじゃない。
一度目は、心奈が泣いたあの時だ。

なぜだか分からないけれど、運転手の言葉に、迅は自分でもおかしかったのか、ほんの微かわらった気がした。
車の中が心地よかったのか、それとも迅の温もりがあったせいか、心奈はあっというまに寝息をたててしまう。
話しかけてくる運転手の言葉に、適当にあいずちを打ちながらタクシーを降り、迅は心奈を抱いたまま、カバンから鍵を取り出すと、家の中の明かりを灯した。

寝入ってしまった心奈をそっとベットへと寝かすと、まるで離れないでというように、心奈は迅の腕を離そうとしない。
とは言っても力の違いは歴然で、力ずくで離そうとすればできないこともない。けれど抱きついてくる心奈の体が思ったよりもずっと柔らかく、力をいれてしまえば、容易く折れてしまいそうだと思った。

ため息をつきながらも迅は、心奈の隣に寝ている。
たぶんきっと、こんな姿を素の心奈が見れば、側頭してしまうと思ったら、なぜか笑いがこみあげてきた

つまらない女だと思っていた心奈の表情を見るのはこれで何度目だろうか。
つらそうに泣いていると思えば、頑固な一面をみせ、かと思えば、退屈を感じさせない程度の話術をもっている。
すこし距離が縮まった気がしたと思えば、目もあわそうとしない。
そして……。

迅のすぐ隣で、心奈がもぞもぞと動けば、ふわりと心奈の香りがした。

まったく自分とは違うこの匂いが、正直嫌いじゃない。
そう思ってしまった事を、否定しない迅がいた。




よろしければ、応援お願いいたします ^^
とても、はげみになります☆
スポンサーサイト
  •   28, 2015 12:07
  •  0
  •  0

Comment - 0

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。